2019年09月07日
私たちは、よく「やる気が出ない」とか「どうしたらやる気が出るのか」といった言葉をよく聞きます。では、やる気を起こさせるにはどうしたらよいでしょうか。難しい問題です。「頭のよくなる本」(林 髞著・大脳生理学者)では、次のことに気をつけるとよいと指摘しています。
まず、第一に「睡眠をよくとること」です。 頭を使うと、頭を働かせる物質が消費されます。この物質は熟睡しているときに作られます。したがって、熟睡できる環境をつくることが大切です。そのため、早寝早起きの習慣をつくる必要があります。
続いて、第二は、「栄養をとること」です。バランスよく栄養を取ることはもちろんですが、ビタミンB1・B2・B12などをとるとよいようです。
最期は、「頭の切り替えをすること」です。同じ勉強を続けると、頭の同じ部分を使うので、疲れていやになります。夜の二時間の勉強は、朝の二十分とその効果は同じであるといわれます。夜がんばるよりも、早起きして勉強する習慣をつけるとよいということです。
また、精神的な面では、どうでしょうか。
その1は、「完成、成功の喜びを体験させる」ことです。苦心して仕事や勉強をやりとげると、心の中に、やりとげた後の爽快感が味わえます。これを成功感、成就感などとよんでいますが、一度この喜びを体験すると、もう一度経験したい、という意欲になります。
その2は、「優越感、負けん気、競争心を刺激する」ことです。他人にできることは自分にもできるはずだ。他人に負けたくない、良い点をとりたい。などの気もちをおこさせ、意欲を高めます。
その3は、「興味をもたせる」ことです。やっているうちに、だんだんおもしろくなった、という経験が、やる気をおこさせます。
その4は、「責任感を自覚する」ことです。言われたことは何とかしないと気がすまない。自分だけやらないと恥ずかしい。他人がやっているのを見ると、何だか悪いような気がする。などの気持ちを大切にして、やる気を高めます。その5は、「努力する」ことです。どうしてもやってしまおうとがんばります。努力する喜びが意欲になります。
これらのことは、子どもにもあてはまります。その際、家庭では、ほめたり、叱ったり、信頼してあげたり、励ましたりと子どもが中途であきらめないように目をはなさず、絶えず支えてあげることが大切です。(小野間正巳・教育学部児童教育学科教授)
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2019年9月7日号(2339号)4面 (8,770,853byte)
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