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市民アンケート「医療体制の充実」重要7割

2019年11月09日

  • 全世帯アンケート「赤穂市が力を入れるべき事業は?」

    全世帯アンケート「赤穂市が力を入れるべき事業は?」

 まちづくりに対する市民の意向を把握しようと、赤穂市が全世帯対象に実施したアンケート調査の集計がまとまり、施策別に重要度と満足度を尋ねた質問で「医療体制の充実」を「重要」と答えた人が7割を超えた一方、4割近くが「不満」と回答。期待と現状の受け止め方のギャップが浮き彫りとなった。
 アンケートは、2021年度から10年間の市政指針となる新総合計画の基礎資料とするために実施。今年7月に無記名式の調査票を各世帯に配布し、26・3%に当たる4384票を回収した。
 主要な施策47項目について重要度を5段階で尋ねた質問で、「重要」(「やや重要」を含む)と答えた割合が最も多かったのが「医療体制の充実」で71・0%。▽災害に強いまちづくり(64・8%)▽公共交通の利便性の確保」(60・2%)▽消防・救急・救助体制の充実」(59・5%)▽子育て環境の充実(59・1%)と続いた。
 しかし、満足度では、39・7%が「医療体制の充実」について「不満」(「やや不満」を含む)と回答し、▽公共交通の利便性の確保(40・6%)に次いで2番目に多かった。他には▽商業の振興(33・2%)▽就労環境の充実(31・9%)▽土地の利活用の適正化(30・2%)が数値が高かった。
 「赤穂市がこれから力を入れるべき事業」(複数回答可)でも、市が選択肢に挙げた19事業の中で「医療サービス」を選んだ人が39・8%で最多。市が10年前に実施した全世帯アンケートでは「医療サービス」を選んだ割合は19・0%で上から7番目だった。この10年間で優先順位や関心度が高まったことがうかがえる。▽子育て支援(37・1%)▽産業・雇用(33・1%)▽高齢者・障がい者福祉(30・9%)▽自然環境保全(22・0%)と続いた。
 「これからも赤穂に住みたいか」との問いには、▽ずっと住み続けたい(61・5%)▽できるなら住み続けたい(25・8%)という結果となり、“定住”を望む人が8割を超えた。▽いずれは転居したい(4・9%)▽すぐにでも転居したい(1・0%)と回答した人がその理由に選んだのは、▽買い物などの日常生活に不便(34・9%)▽医療サービスが充実していない(24・1%)▽通学・通勤に不便(22・2%)▽地域の行事や近所づきあいがわずらわしい(18・8%)▽市内で働けるところがない(12・6%)が多かった。
 市政特別アドバイザーの社会心理学者、三浦麻子氏(大阪大学大学院人間科学研究科教授)の分析では、子育て環境の充実など福祉・社会保障や公共交通の利便性が定住意向に影響している傾向が示されたといい、「公共交通の利便性は重要度が比較的高い一方で満足度がかなり低く、今後の重点施策とする必要があるのでは」と指摘する。
 牟礼正稔市長は「市民のみなさんの考え方と私の考え方が、そんなに違っていないと感じた」と所感を述べ、「市民の意見を反映できるように総合計画の策定や今後の市政を進めたい」と語った。
 アンケート調査結果報告書は市のホームページで公開されている。市は若者世代の意向を把握する目的で関西福祉大学の学生と市内中学2年生にもアンケート調査を実施済みで、11月中には集計結果を公表する予定にしている。


政治 ]

掲載紙面(PDF):

2019年11月9日号(2347号)1面 (6,821,506byte)


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