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義士に捧げる「アコウバーガー」12作目

2020年02月05日

  • アコウバーガーのシリーズ12作目「冨森助右衛門」と鈴木誠さん

    アコウバーガーのシリーズ12作目「冨森助右衛門」と鈴木誠さん

 赤穂義士の命日に合わせて毎年、四十七士の中から一人にスポットを当て、その人物にちなんだハンバーガーを考案している加里屋中洲の「あこうぱん」がシリーズ12作目となるアコウバーガー「冨森助右衛門」を新発売した。
 同店代表のパン職人、鈴木誠さん(49)が「その人に食べてもらいたい」と思いを込めてレシピを考えるアコウバーガー。今回も助右衛門の人柄やエピソードなどを書籍や文献で調べた。討ち入り前に東海道川崎宿に近い平間村(現神奈川県川崎市幸区)に逗留し、近所の農家から鶏や野菜を分けてもらって生活していたことや、母と妻、幼い長男を残して切腹したことなどからイメージをふくらませた。
 川崎宿の名物「奈良茶飯」をヒントに、炊いた玄米と茶葉をパン生地に練り込み、「家族で分け合って食べられるように」とバンズに切り込みを入れた。中にはさんだ具材は赤穂塩で味付けした鶏もも肉のテリーヌ。「子どもが好む味に」と照り焼き風味を加えた。
 冨森助右衛門は馬廻・使番200石。吉良邸には表門隊で討ち入り、大石内蔵助の命により吉田忠左衛門と共に幕府への使者を務めた。「春帆(しゅんぱん)」の雅号で俳句をたしなんだ。切腹した義士が泉岳寺に埋葬されたのは助右衛門が、仲間と一緒に亡君のそばに埋めてほしいーと願い出たためと言われている。
 「切腹のとき、助右衛門さんは涙を流したそうです。とても人間味のある人だと感じました」と鈴木さん。例年同様、出来上がったアコウバーガーを義士墓所のある花岳寺に供えてから店頭での提供をスタートした。
 1個270円で来年2月3日まで販売する。いずれの日も売り切れ次第終了。毎週月・火定休(月曜祝日は営業)。Tel42・3565


街ネタ ]

掲載紙面(PDF):

2020年2月8日号(2359号)4面 (8,140,633byte)


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