2020年02月08日
西有年の産業廃棄物最終処分場建設計画をめぐり、兵庫県の公文書偽造を疑う声が上がっている。
疑惑の対象になっているのは、昨年7月10日に西播磨県民局で開かれた関係部署会議について、出席者の一人が話し合いの要旨をまとめた決裁文書だ。疑惑を指摘している市民団体によると、公文書公開請求に対し、内容の半分ほどが削除され、標題が「報告書」から「議事録」に変わった決裁印のない文書が公開されたというのだ。
この指摘に対して県は、報告書が存在していたことは認めたが、▽公文書公開請求よりも以前に議事録に決裁し直していたため、報告書ではなく議事録を公開した▽市民団体が見た報告書は破棄すべき文書が残っていただけ―などと釈明している。だが、決裁文書の管理がそれほどずさんとは思えず、県の言い分は信じがたい。
また、県は報告書を議事録へ作り直した理由として、「会議に出席するための旅行命令を出していたので、『復命書』の形で残すように指示した。他の部局の不要な情報は残す必要がないので、概略でよいと言った」などと取材に答えたが、「知事は何をしてでも止めろ、という姿勢ではない」との記述も削除しており、不自然さがつきまとう。
報告書の内容で最も気になったのは、調整池の計画年数に関して、遠藤英二・西播磨県民局長が「専門家委員会に言わせて100年に1回を採用すれば良い」と発言したとされる部分だ。遠藤局長は発言の真偽について明らかにしておらず、文書を決裁した上司は「局長がこのような発言をしたとは考えられない。誤認があるのではないか」と、文書を作成した部下が聞き間違えた可能性に言及している。
しかし、発言の有無はさておき、「専門家委員会に言わせて100年に1回を採用すれば良い」と記載のある報告書に上司らが決裁印を押していた事実は重く見るべきだ。上司は、発言の真偽について局長本人、あるいは報告書を作成した担当課長に確認した記憶はないという。つまり、発言に疑問を感じることなく決裁したことになる。
「独立した立場で専門的な意見を述べていただく会議体」とされる専門家会議が、実際は県が望む方向に誘導でき、しかも、それが県内部で暗黙の了解になっている―と疑われても仕方がないのではないか。
「部下が聞き間違えた」で済む問題ではない。
[ 社説 ]
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掲載紙面(PDF):
2020年2月8日号(2359号)3面 (8,140,633byte)
コメント
兵庫県も信じられないと言うこと。
やっぱり長期政権はダメになる傾向が多いですね
投稿:結局 2020年02月10日
まさに社説の指摘の通り。
県が県民の為ではなく県行政の為に設置する専門家委員会だの有識者会議だの監視委員会ですから、結論ありきで事が運ばれて当然でしょう。
善良なる赤穂市民、相生市民、上郡町民の皆さん、騙されてはいけません。このままでは草刈場にされてしまいますよ。
民報さん、深く追求し発信して下さい。頑張って下さい。
投稿:赤男瓶 2020年02月08日
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