2020年09月05日
練習を始めて約2か月で東京国際声楽コンクールへの出場を決めた岸野達大君
将来を期待される声楽家の登竜門、第12回東京国際声楽コンクールの高校1・2年生部門(10月17日、東京都墨田区・曳舟文化センター)に赤穂高校音楽部1年の岸野達大(たつひろ)君(16)=たつの市=が初出場する。持ち味の柔らかなテノールで地区大会と西日本准本選を通過した。
ジャズなど音楽鑑賞が趣味だが、中学時代は卓球部。「校歌を歌っている声に素質を感じた」という浅井智恵顧問の勧めで音楽部に入部した。新型コロナの影響で実際に練習に参加し始めたのは6月下旬。1か月半ほどの練習で8月8日の地区予選に出場した。
曲目はイタリア古典歌曲「アマリッリ・ミアベッラ(私の美しい人)」。ステージで歌ったのは初めてだったにもかかわらず、「緊張よりも自分の歌を聴いてもらえる楽しさの方が大きくて。すーっと声が出た」という。審査員からは「レガート(なめらか)で美しい」「いい声で表情がとても良かった」などと評価を受けた。ピアノ伴奏した浅井顧問は「一番感情がこもるフレーズでは両手を大きく広げて、堂々と伸び伸びと歌っていました。自分が表現したいものを持っている」と度胸と感性の良さに目を見張ったという。
その勢いで8月24日の西日本准本選も突破した。「まさか全国大会にまで出られるとは思っていませんでした」と岸野君。本選へ向けて新たな曲に取り組み、楽譜とイタリア語の歌詞を覚えるのに苦労しているというが、「自分の声をピアノの音と一緒に響かせるのがすごく楽しい。自分自身が納得できる演奏ができたら満足です」と自然体で臨む。
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