2020年09月25日
「現場の声を今後の対策に活かすべき」と語る邉見公雄氏
「この本は現場で新型コロナウイルスと対峙した医療従事者の生きた記録です」と語るのは、赤穂市民病院の邉見公雄名誉院長。手にしているのは、自らが会長を務める特定非営利活動法人「地域医療・介護研究会JAPAN」などから刊行された『新型コロナウイルスとの闘い・現場医師120日の記録』(A6判305ページ。1400円+税)だ。
横浜港のクルーズ船から新型コロナ患者を受け入れた公立病院の院長をはじめ全国各地の医療現場で奮闘した医師や薬剤師、検査技師、後方支援の物流担当者など約30人が寄稿。PCR検査の課題や病院経営の危機的状況も指摘されている。邉見氏は序文、あとがきを担当。別の病院に応援派遣された医師や看護師が様式の異なる電子カルテに悩まされたとの声を踏まえ、電子カルテの全国統一を提言している。
「コロナ後に医療制度や社会はどう変わるのか、どう変えていくべきなのかを考える上で、現場で何が起こったかを正確に検証することこそがその一歩」と出版主旨を語る邉見氏。「コロナの次の波、必ず起きる新興・再興感染症への備えに役立ててほしい」と訴えている。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2020年10月3日号(2387号)1面 (8,274,756byte)
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