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「黒猫」忠臣蔵絵本 11年ぶり増刷

2020年12月01日

  • 赤穂のベストセラーとなっている絵本『赤穂義士物語』と作者のマサミマエカワさん、三好一行さん(左)

    赤穂のベストセラーとなっている絵本『赤穂義士物語』と作者のマサミマエカワさん、三好一行さん(左)

 黒猫を擬人化したイラストで元禄赤穂事件を描いた絵本『ザ47ブラックキャッツ“サムライクラッシュ!”赤穂義士物語』が、刊行15年を前に第3刷を出版。赤穂の隠れたベストセラーとなっている。
 「ザ47ブラックキャッツ」は加里屋のデザイナー、マサミマエカワさんが2002年に考案したオリジナルキャラクター。黒装束で吉良邸に討ち入って幕府に抵抗して本懐を遂げた義士たちを、「犬公方」と呼ばれた将軍綱吉に対する象徴として黒猫に見立てて図案化した。
 4年後に赤穂市の「チャレンジあこう推進事業」を活用して絵本化。表紙を含めて20枚の原画をマエカワさんが描いた。黒猫たちが持つ武具は江戸時代の赤穂出身画家、長安義信の「四十七義士掛け軸」を参考にするなど細部までこだわった。文と解説は、忠臣蔵の映画や小説、NHK大河ドラマ「元禄繚乱」などの時代考証を務めた加里屋の三好一行さん(高光寺住職)が担当。「海外の方にも読まれるように」と英訳を添えた。
 史実に基づいたストーリーにポップなイラストが組み合わさったユニークな作品は「この一冊で忠臣蔵の話がよくわかる」と話題を呼び、初版(2006年12月)の1000部は完売。3年後にフランス語訳を加えて増刷した1000部もほとんど残っていないという。今回は「息の長い絵本になってほしい」と4000部を印刷した。
 「子どもから大人まで幅広い世代に手に取ってほしい」とマエカワさん。三好さんは「最近の若い年代には忠臣蔵を知らない人も多い。絵本が赤穂義士のお話を知ってもらえるきっかけになれば」と話している。
 B5変型判39ページ、1300円(税込)。赤穂観光協会(JR播州赤穂駅2階、Tel42・2602)や市立歴史博物館、花岳寺などで販売している。


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2020年12月5日号(2395号)4面 (8,051,654byte)


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