2021年01月28日
御崎配水池整備計画の特記仕様書や図面。意中の業者に有利になるように改ざんされたという
赤穂市発注の御崎配水池整備工事をめぐる贈収賄事件で、特定メーカーの貯水槽を納入しやすくするために実施設計から書き換えられたとされる特記仕様書や図面は、発注前の決裁で改ざんに気付かれないまま入札執行されたとみられる。
同工事をめぐっては、コンサルタント会社に業務委託した実施設計が昨年2月末に完了し、約4か月後の6月26日に入札が行われた。警察は、収賄容疑で逮捕した市浄水施設担当課長が入札までの間に特記仕様書などを贈賄側の森松工業(岐阜県本巣市)に有利になるように変更したとみている。
市によると、特記仕様書や図面は実施設計完了時に上下水道部長が決裁し、入札前の段階では部長と市長が決裁した。警察の見立て通りなら、実施設計と入札前では内容が変わっていたはずと思われるが、「発注した設計書と以前の設計書との違いを把握できていなかった。まさか、改ざんされているとは思ってもみなかった」(上下水道部長)と、不正を見抜けなかった。
市は事件発覚後に改めて特記仕様書と図面を確認したが、「どの部分が特定のメーカーに有利になっているのか分からない」「実施設計段階の書類が警察に押収されており、どこが改ざんされた箇所なのかも今のところ分からない」といい、現時点でも不正の実態を突き止められていない。
関係者によれば、元請け会社の見積もり依頼に応じたのは森松工業のみで他のタンクメーカーは辞退したという。「貯水タンクに詳しい者が書類を見れば、森松のタンクを指定していると分かるのだろう」と推測した。
[ 事件事故 ]
掲載紙面(PDF):
2021年1月30日号(2402号)1面 (8,157,171byte)
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