2021年11月26日
朝晩の冷え込みに伴い、外へ出たり体を動かしたりすることが億劫になる時期がやってきました。しかし、この季節だからこそ暑い頃とは異なり、長時間の運動が取り組みやすくなります。
さて、みなさんは「長い距離を走ることは得意ですか」と尋ねられた時、どのように答えるでしょうか。長距離走を思い浮かべると学生時代の持久走が頭を過り「大変だ」「疲れる」と思う方もいるかもしれません。今回はそんな長距離走のしんどさを解消する方法と、自分のペースで取り組む運動が及ぼす心理的効果について取り上げたいと思います。
私は学生時代に陸上競技の短距離走を取り組んでいましたが、長く走らなければならない長距離走はしんどくて好きではありませんでした。一方、生涯スポーツとして走ることに取り組みはじめると、それまでは苦手だった長い距離を走ることが継続できるようになり、楽しめるようになりました。その走り方こそが笑顔を保ちながら取り組む「ニコニコペース」による運動です。
近年注目されている走り方の一つに「スロージョギング」があります。これはニコニコペースによるジョギングです。有酸素運動と筋力トレーニングとしても有効だと言われており、高血圧の治療等の身体的健康への恩恵も確認されています。また、この走り方は継続することができるという利点があり、さまざまな健康への効果がより期待されるのです。
特に運動は身体的な健康だけでなく心の健康へも効果が期待されます。この心の健康へ良い効果を与える運動方法の一つに自分で選択した運動強度で取り組む快適自己ペースがあります(橋本、1993)。この方法で運動に取り組むとポジティブな感情が生まれ、ネガティブな感情が減少することが報告されています。
年末も近づき忙しい季節もやってきますが、ぜひ自分の心地よいペースで運動を行い、身体的な健康への恩恵だけでなく、心の健康の保持増進にも役立ててもらえればと思います。(教育学部保健教育学科講師・川勝佐希)
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次回は教育学部保健教育学科講師の猿山隆子さんのコラムです。お楽しみに。
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2021年11月27日号(2440号)3面 (7,545,381byte)
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