2022年01月29日
最近、「人生100年時代」という言葉がよく話題にのぼります。
「人生100年時代」を豊かなものにするには、自分の人生をどのように設計するかということが重要な課題になります。
長い期間、生き生きと働き続けるには、新たな考え方やスキルを体得していく「学び」が欠かせません。そこで注目されているのがリカレント教育です。「リカレント(recurrent)」とは、「循環する」という意味で、リカレント教育とは、学校を卒業して社会に出た後も、その人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。「学び直し」という言い方もされますが、社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルをアップデートするといった方が分かりやすいでしょう。
これまでの私たちの生き方は、10代後半あるいは20代はじめまでの間に学校で勉強し、卒業した後、就職し、ある程度の年齢になったら退職し、リタイヤ後の生活を送るというスタイルでした。しかし、社会が目まぐるしく変化する今日、若い頃に学んだ知識だけでは通用しなくなっており、仕事で求められる知識やスキルを、時代の変化にあわせて継続的にアップデートすることが求められています。
そのような新しい知識やスキルを身に付ける手段として、リカレント教育の重要性が議論されるのは当然のことのように思います。日本としては、文部科学省だけでなく、厚生労働省や経済産業省が連携して、リカレント教育を推進しようとしています。
現在では、これまでの人生を一方方向に捉えるライフサイクルとは異なり、社会に出た後に会社をいったん辞めて留学する、働きながら大学院に通う、転職や起業で新たな仕事を始める、子育てをしながら働く、定年後も新たな仕事に挑戦するなど、これからの生き方として、教育と労働を循環させることでキャリアアップ、キャリアチェンジしていくスタイルに変わりつつあります。
今後、リカレント教育はますます浸透していくと考えられます。こうした学び方は、生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることにもつながるでしょう。もし、あなたが100歳まで生きるとしたら、どのような人生を考えますか。(教育学部保健教育学科講師・猿山隆子)
[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2022年1月29日号(2448号)3面 (7,614,935byte)
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