2022年02月12日
学校働き方改革の進捗状況について文部科学省が全国の教育委員会を対象に実施した調査で、赤穂市内の市立学校では法律に定めるストレスチェックが実施されていなかったにもかかわらず、赤穂市教育委員会が「すべての学校で実施」と回答していたことがわかった。
ストレスチェックとは、調査票を使うなどして従業員のストレス状態を調べ、希望者には医師が面接するもの。労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、職場改善につなげることによって労働者が精神面で不調になることを未然に防止する狙いがある。
2015年の労働安全衛生法改正で常時50人以上の事業者に年1回以上の実施が義務付けられ、50人未満の事業者には努力義務としている。ストレスチェックの実施者は医師、保健師などに限られ、チェック結果が人事上の不利益な取り扱いに利用されることがないように、人事権限を持つ監督的地位にある者は調査票の配布や回収といった事務作業にすら原則従事してはいけないルールとなっている。
文科省は5年前から実施している「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」で、「域内の学校において、労働安全衛生法に定められているストレスチェックを実施しているか」との問いを昨年度から追加。調査結果を同省ホームページで公開している。
公開資料では、赤穂市教委は昨年度と今年度のいずれも「学校規模に関わらず、すべての学校で実施」と回答。しかし、現実には法律要件を満たすストレスチェックを実施した学校は1校もなかった。
なぜ、調査に事実と異なる回答をしたのか。市教委は「それぞれの学校で、校長が教員に面談して健康状態を確認し、必要に応じて産業医につなげる取り組みを行っていたので、『実施している』と解釈した」(学校教育課)とし、「決して虚偽報告をしたわけではない。来年度以降は正しい回答を心掛ける」と釈明。急きょ今月中にすべての学校で調査票を用いたストレスチェックを実施する予定を明らかにした。昨年度の回答の修正を文科省に申し出たものの、「過去の回答の修正、変更は受け付けないと言われた」といい、今後も誤答の状態のまま公表が続く。
同調査は「各教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況を明確」にし、「働き方改革の取組を促す」ことが目的。今年度調査では全国1793の教育委員会(事務組合を含む)のうち85%が「ストレスチェックを実施している」と回答。兵庫県内では43委員会中40委員会が「実施中」とし、残り3委員会が「検討中」と答えた。近隣自治体では、たつの市と上郡町は外部の専門機関に委託して実施。相生市は「実施に向けて検討中」としている。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2022年2月12日号(2450号)1面 (7,182,952byte)
コメント
日にちが変わっても働いている先生もいます
子供の為に頑張ってる、ありがたい・・・ではなく、そんな生活を止めてあげてください
その為のストレスチェックだと思います
投稿:内海 2022年02月13日
学校教育課の発言は苦しい言い訳として言ってくれてた方がまだましですよ
もし本気で良いと思って回答を提出していたのなら、規則もまともに読めない人達が赤穂の教育を司っている事になるから怖いです
規則にはどうとでも解釈できるような難しいものもありますが、今回についてはどう考えても内部で勝手にやる物ではない事は明確ですからね
すでに指摘もあるように努力義務であって義務ではない訳だから実施していないと回答して問題はなく、実施していない事が体裁が悪いと考えたのなら検討中とでも回答しておけは虚偽とはならなかった
なぜこんな馬鹿な事をしたのか不思議でなりません
ちなみに県内では大半の自治体がストレスチェックを実施していると回答していますが、本当にきちんと実施しているのなら赤穂が遅れている事になりますし、今回の赤穂のような件がまかり通っているのならもっと大きな問題ですね
投稿:読者 2022年02月12日
え?
人数がどうのこうのと言う問題ではなく、実施していないのに実施していると回答したことが問題ではないのでしょうか?
実施していないならば、していないの回答でよかったのでは?
校長の面談って…
言えない方もいるでしょう…
投稿:市民 2022年02月12日
うーん、先程も書きましたが、50人未満の事業所はする義務はないんですよね?赤穂市の学校は先生が50人以上の学校ってないんじゃないんですかね。する必要がない事について、やってないのは悪いみたいなのはおかしいなとやっぱり思います。
もっと頑張ってくれてる事を記事にしたり、コメントしたりして欲しいです。
投稿:子持ちの父親 2022年02月12日
幼稚園や学校のコロナ対応に関する投稿をされた方がありますが、本記事とは直接関係がありませんので非表示としました。
例えば、次の記事などへのコメントとして投稿ください。
学級閉鎖・臨時休業のガイドライン公表
https://www.ako-minpo.jp/news/15946.html
投稿:赤穂民報 2022年02月12日
労働安全について少しでも勉強したことのある者なら「校長の面談」など労働安全衛生法上のストレスチェックに該当しないことは知っています。
つまり、教育委員会が労働安全についてまったく勉強していなかった、ということです。
しかも、それを取材に堂々と答えており、あきれて開いた口がふさがりません。
投稿:あきれた 2022年02月12日
私は中学生の子どもをもつ父です。
私の知る限り学校の先生方は子どものために夜遅くまで頑張ってくれているなと、会社帰りに学校の明かりがついているのを見てよく思います。その先生も含めて市全体の教育は私たち市民が協力していくべきものではないかと思います。
ストレスチェック、確かにしてもらったらいいと思いますが、そもそも50人未満の事業所は努力義務なのであれば、先生方頑張ってくれてるから、そのストレスを減らせるようにしていきましょうって呼びかける方がいいんじゃないでしょうか?
学校や教育委員会が悪いみたいな記事の書き方は子どもたちのためになるのかなと疑問が残ります。
投稿:子持ちの父親 2022年02月12日
ストレスチェックはあくまでパフォーマンス。これが何かの役に立っているとは思えないので、今回は教育委員会にも同情します。
投稿:形だけのアンケート 2022年02月12日
何度も何度も会社でのストレスチェックを受けて面談を受けていますが、会社側は、記録としてだけで何ら改善する意思もない気がします。
ストレスチェックは、誰の為にするのか?
面談した側も改善するように促していかないと、職場でのストレスが増えて行くでしょう。
投稿:ストレスチェックって意味がありますか 2022年02月12日
市民病院に続き、今度は教育委員会ですか。
教育委員会は、学校や先生を守る気がないのですかね。
最近のコロナ対応にも不信感があります。
それにしても、先日のオンライン授業の記事もそうだったのですが、こういう記事の時は、いつも学校教育課の回答となっていますが、教育長はいったい何をしているのでしょうか。
高い報酬もらっているのに、全然姿が見えません。
民報さん、教育長への取材をお願いします。
投稿:つくし 2022年02月12日
※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
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