2022年03月19日
「温かく包み込むような居心地の良い場所を創っていきたい」と話す「komorebi」のみなさん
障がいのある人が日中に通い仕事をする場を赤穂市北部で提供しようと、市内7か所目となる就労継続支援B型事業所の開設準備が有年楢原で進められている。
今春オープンを目指し、スタッフらは「利用者のみなさんに『明日もまた来たい』と思ってもらえる居場所にしたい」と意気込んでいる。
JR有年駅から西へ約1キロで、一昨年6月末まで赤穂精華園のケアホームとB型事業所だった鉄筋コンクリート造と木造の2階建て建物2棟と土地を兵庫県社会福祉事業団から譲り受けた。広い芝生広場を活かして畑を整備し、希少野菜と花などを栽培して加工販売したり、メダカの養殖・販売などに取り組む計画だ。
利用定員20人で月曜〜金曜の午前9時〜午後3時半にサービスを提供する。建物は元々、高周波熱錬の社員寮だった施設。数多くある個室を相談室や休憩室に活用し、必要な利用者には一人で落ち着いて作業したり、休んだりできる環境を整える。将来的にはグループホームの併設を目指すという。
施設名称は「komorebiわーく」。代表理事の前田智子さん(67)=周世=は「木洩れ日のように穏やかに温かく包み込むような居心地の良い場所を創っていきたい」との思いを込めたと話す。当面はスタッフ10人で運営する予定で、ほとんどが介護福祉士や介護ヘルパーなどの資格を持ち、障がい者福祉に携わった経験者だという。
前田さんによると、赤穂精華園のB型事業所が閉鎖されて以降、市内の高雄地区以北には障がいのある人が通える事業所がないという。理事の佐藤正明さん(74)=朝日町=は高周波熱錬の元工場長で、独身時代の3年間、社員寮で暮らした。「自分にとっては思い出深い建物。取り壊されず、世の中の役に立つことがうれしい」と話す。
「日中は敷地内の広場を地域の憩いの場として開放し、いずれは交流イベントも開きたい」と前田さん。「地域のみなさんに支えられながら、ゆったりとした障がい者支援を行っていきたい」と展望している。
就労継続支援B型事業所は、一般企業への就職に不安や困難がある障がい者に軽作業などの就労訓練を提供し、工賃を支払う福祉サービス施設。利用についての問い合わせは一般社団法人「komorebi」Tel090・1967・4798(前田さん)。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2022年3月19日号(2455号)1面 (10,554,762byte)
コメント
施設の修繕や作業に必要な備品の購入のためのクラウドファンディングが始まりましたね。応援したいです。
投稿:たんぽぽ 2022年06月06日
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