2022年09月03日
「医療安全管理体制に安全教育上の重大な懸念事項がある」として、赤穂市民病院(寺谷進病院事業管理者、高原秀典院長)が日本脳神経外科学会から専門医訓練施設の認定を停止されていたことが学会への取材でわかった。
2019年9月以降に同病院脳神経外科で発生した医療事故に関する対応を問題視したものとみられ、学会によると、先月19日付けの文書通達をもって認定を停止した。停止期間の設定はなく、「医療安全体制の整備や一連の医療事故の問題点総括が完了し、その対応策が確実に実行されていることが確認されるまで、認定を停止する」としている。
学会は一連の医療事故に関する報道を受けて昨年12月に調査を開始。病院側に複数回にわたって情報提供を求め、提出された資料を基に対処を検討してきた。その結果、「病院から提出された資料からは、今回問題となっている複数の事例に対して、医療安全管理委員会や医療事故調査委員会が適切に開催されておらず、議事録などの必要記録も適切ではないと判断」し、理事会で認定停止を決議したという。
事務局によると、認定停止は「2014年に1件あったようだが、他には見つけられない」といい、異例の措置とみられる。
学会は調査開始当初は「専門医訓練施設として医療安全上の管理が的確であるかを検証する必要があると考えた場合には、サイトビジット(直接医療機関を訪問して調べる施設実地調査)を行う用意がある」としていた。しかし、今回の通達では「訓練施設として整備されるべき医療安全管理体制に明らかに不備が認められることから、サイトビジットをするレベルでもない」となっており、実地調査を行うことなく認定停止が決まった。
専門医訓練施設は、研修プログラム基幹施設から指定があり、要件を満たしていることが確認されれば認定される。今年8月25日時点で全国1181施設が認定を受けている。認定がなくても脳神経外科の診療を行うことは可能だが、認定外の医療機関で勤務しても専門医研修期間には算定されないため、専門医を目指す専攻医が勤務を希望しなくなることが予測される。
赤穂民報は8月30日、認定を停止されたことによる影響や今後の対応などを同病院に質問したが、期限とした1日までに回答はなかった。同病院ホームページの「病院概要」には認定停止から2週間経過した1日時点でも「日本脳神経外科学会専門医訓練指定施設」と表示されたままになっている。
[ 社会 ]
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掲載紙面(PDF):
2022年9月3日号(2475号)1面 (10,436,044byte)
コメント
病院のホームページに認定停止のことがアップされた。
できれば報道される前に自ら公表してほしかったが。
一刻も早い停止解除を目指し、真摯に対応してまいります。との言葉に期待したい。
投稿:市民病院ウォッチャー 2022年09月06日
学会がサイトビジットするまでもない、市民病院は話にならないということ。でも病院のHPでは訓練施設と表示されている、まだ状況を理解できてないのか、ならば市民病院はまだ言い分があるだろうから見解示すべきだ。
投稿:大丈夫か 2022年09月03日
市民病院さんのホームページを見ましたけど認定停止のことは何ものってないですね。
患者にとって重要なことならなにがしか説明をのせるでしょうから、何もないということはそんなに重大なことではないのでは?
投稿:8番ショート 2022年09月03日
医療事故はほかの病院でもあるのに赤穂民報はなんで問題視しているのかわからないかったが、学会が認定停止するほど市民病院に問題があるということか。これは報道されても仕方ない。
投稿:赤穂市民の患者 2022年09月03日
これって、、かなりヤバいことですよね?大津市民病院みたいに医師の大量退職に繋がらないか心配です。普通に考えて病院存続の危機なのでは?それと、市長の謝罪会見で医療過誤被害者に和解を申し出ると言ってましたが、和解成立したんでしょうか?
投稿:K 2022年09月03日
「医療安全管理体制に安全教育上の重大な懸念事項がある」ということは脳神経外科のみならず、他の侵襲を伴う医療行為、リスクを伴う医療行為について、病院のバックアップや管理体制が不適切であるということの証左と考えられます。
心臓インターベンション、外科手術など、他の関係各学会、関連医局など、赤穂市民病院をもう一度精査するべきではないでしょうか。
投稿:近隣の医長 2022年09月03日
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