2009年03月14日
ボランティアスタッフの手で始まった義士木像の修復作業
赤穂市が所蔵する義士木像の修復作業が14日、上仮屋の赤穂城発掘調査事務所で始まった。担当するのは公募で集まったボランティアスタッフ。像については制作年代、作者がわかっておらず、「修復を通して新発見があるかも」と丁寧にクリーニングを進めた。
木像は昨年6月、中広の永応寺(楠哲雄住職)が市に寄贈した赤穂浅野家3代藩主と四十七士の50躰。「文化財への関心を高めてもらう機会になれば」と市教委が修復作業を手伝うボランティアを募集し、市内外から11人が申し込んだ。
作業初日はちょうど浅野内匠頭長矩の命日。スタッフらは手袋着用で長矩像をはじめ6躰を木箱から取り出し、小筆やハケで表面に何層にも積み重なっているほこりを払った。
元うるし職人で20年ほど前に社町で義士木像の修復に携わったという大津の山根健一さん(69)は「何か経験を活かすことができれば」と応募。加古川市から参加したシンクタンク研究員の金子実佳さん(30)は「文化財に直接向き合えるチャンス。作業しながら赤穂事件について考えを深めたい」と細部をじっくり観察しながら筆を動かした。
今後、月1〜2回のペースで修復を進める予定。修復するレベルにもよるが、50躰すべての作業を完了するには複数年かかる見通し。指導する市文化財保護審議会委員の篠宮欣子さん=山手町=は「無理をせず、楽しみながら気長に取り組んで」と話していた。
掲載紙面(PDF):
2009年3月21日(1840号)4面 (7,198,990byte)
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