住友大阪セメント赤穂工場で火災 粉塵爆発か
2024年08月10日
8月10日午前7時ごろ、赤穂市折方の住友大阪セメント赤穂工場から黒煙が上がっているのを同市消防本部の職員が見つけた。
粉塵爆発とみられる事故で黒煙が上がる住友大阪セメント赤穂工場=小坂章さん提供
消防が現地を確認したところ、高さ約30メートルの石炭ミル設備建屋から炎が上がっていたため、119番通報。火災は午前10時48分に鎮火した。けが人はなかった。
同社によると、建屋はセメント製造の燃料となる石炭を細かく砕くための設備。同日午前6時28分に設備の粉塵計で濃度上昇を示す警報が作動し、6時50分に設備を停止したが、7時に火災が発生したという。
建屋の天井部分が破損しているといい、消防は粉塵爆発が発生したものとみて原因を調べている。
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コメント
この手の話(粉じん爆発)は、時々ある。令和になって増えているように思う。一般に、粉じん爆発の規模や威力は凄まじく、一瞬で建物の倒壊や多くの負傷者が出る事態を招く、恐ろしい事故といわれている。 アルミ、亜鉛、ニッケル等の金属粉、砂糖、小麦粉、木粉、樹脂、トナーや医薬品等の製造や取扱い時に発生している。 法規制されていない物もあるが、今回の石炭は危険物であり、石炭による粉じん爆発事故は珍しい。 炭鉱での炭塵爆発はよく知られており、国内では半世紀以来の災害かと思い、調べると同事業所で21年前(2003.July)の粉じん爆発事故(サイロ内での自然発火)がヒットしたので驚いている。 粉じんは粒子が細かいほど着火に必要なエネルギーが小さく、爆発性ガス状態になり危険性が増す。
気になるのは、石炭粉砕設備の粉塵濃度上昇を示す警報作動(AM06:28)、設備停止(AM06:50)とあるが、粉じん爆発は一瞬であり、一刻も争う時にこの22分間は必要なのか? 通常、緊急時対応マニュアル類には手順(緊急処置後に報告)が明記されている。結果、7時に火災発生、4時間近く燃えて鎮火(AM10:48)した。
石炭の浮遊粉塵による爆発は堆積粉じんがあると伝播して、さらに爆発や火災を引き起こし、被害を拡大する。爆発性粉体は消防法や労働安全衛生法等で規定されており、責任者に対し、爆発危険性の把握と対策、責任と罰則が法的に規定されている。今回、けが人がなかったことは不幸中の幸いである。
投稿:駅裏の住人 2024年08月27日
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