2008年02月23日
生徒たちからもらったカードやハート型の手作りストラップ
2月14日。いつものように授業が始まり、いつものように“内職”をしている生徒がおり、いつもより少しきつく注意をしました。
いつもにも増して随分しぶとく繰り返すので、「授業を必要と思ってないなら、受けなくてもいい」と思い、ちょっと早く終えて、荷物をまとめて教室を出ようとしました。
すると、慌てて数人の生徒たちが追いかけてきて呼び止めるので振り向くと、「これ、寛子お姉さんに!」と何やら差し出します。
その時、やっと分かりました。授業中、熱心に内職していたのは、私へのバレンタインカード作りだったのです。その瞬間泣けてきて、ちょっと考えてから、お礼を言うため、教室に戻りました。
いつもとはちょっぴり意味の違う内職だったと気づけなかったことも、気づいた上で心を鬼にすることができなかったことも、すごく悔やまれて、申し訳ないことをしたな、と思いました。授業はまだまだ続くけれど、逃しちゃいけない瞬間はあります。今回は内職に気づかない振りして最後まで授業やるべきだったな。
私が怒って帰ってしまったと思って(実際、怒って帰ったんですが)、心配そうな目をしていた生徒たちの目が明るくなるように。どういう返事をしようかな…。
* * *
▽伊藤寛子さん=赤穂西中学校出身の25歳。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として平成21年6月まで中央アジア・キルギス共和国に2年間の単身赴任中。「ジュジュ」(キルギス語でひよこ)は現地でのニックネーム。
[ 寛子のキルギス日記 ]
掲載紙面(PDF):
2008年2月26日(1781号)4面 (8,993,979byte)
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