2009年06月27日
第3セクター「赤穂駅周辺整備事業」の経営破たんについて、同社の社長でもある豆田正明市長が、「市民に損害をもたらしたとは考えていない」と議会で発言したことに、本紙は驚いた。
広辞苑によると、「損害」とは「不利益を受けること」などとある。
市が同社の経営破たんの損失補償に費やす税金は27億3000万円。本来なら、何らかの市民サービスに活用されたはずの税金である。市民1人あたり5万円を超える額が破たんの穴埋めに消えていく。これを不利益と言わず何と言おうか。
豆田市長は、平成16年1月の市広報で、3セクが民事再生の申し立てを行ったことについて、「こうした事態に至ったことは、会社の経営に関わってきた赤穂市としても大変遺憾であり、市民の皆様に対してお詫び申しあげます」と謝罪の弁を述べていた。今回の発言はそれを覆したと受け取られても仕方がないもので、市民の理解を得られるはずがない。
市民の理解が得られないといえば、同社と旧役員との間で締結された「支払い合意」の交渉内容について、「私が公表すべきものではない」とした市長の発言もしかり。赤穂市は同社の資本金の57・75%を出資し、豆田市長は社長として取締役会に出席している。「市は交渉経過、合意文書を持っていない」などと済ませられるものではない。
このままでは、市民の市政不信は増幅の一途をたどるだろう。市長はまず、市民の気持ちを逆なでした発言を撤回した上で改めて謝罪し、賠償金支払いの交渉過程を速やかに公開すべきだ。
[ 社説 ]
関連サイト:
【あこうリサーチ】3セク破たん「市民の損害ない」との市長発言について−
掲載紙面(PDF):
2009年6月27日(1853号)1面 (8,411,129byte)
コメント
市長の発言の根拠は、「一般会計ではない」ということを盾にしているのでしょうけれど・・・病院・水道・下水道あるいは全ての外郭団体を含めて、市の関与する事業である以上は市の財政に関わること、首長としての常識を疑う発言である。そんな意識の無さ低さがこの問題の解決を阻んでいるのではないでしょうか?
投稿:元市民・44才・男・公務員 2009年07月21日
民事再生手続きから5年以上過ぎてるってことは、破綻までの文書保存義務の期間は
過ぎていて破綻に至る詳細は闇の中と言う事で、市側は「文書保存期間過ぎていて詳
しい事は分りかねます」というパターンに持っていくつもりだろーね。
投稿:ぽこぺん 2009年06月27日
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