2009年07月04日
2年間の任期を終えて帰国した伊藤寛子さん。手にしているのはキルギスの伝統楽器「コムズ」
国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として中央アジアのキルギス共和国へ赴任し、本紙に「ジュジュ寛子のキルギス日記」を寄稿した新田の伊藤寛子さん(26)が2年間の任期を終えてこのほど帰国した。本紙のインタビュー取材に「2年間すべてが私にとって、かけがえのない経験になった」と現地での活動を振り返った。
キルギスを志願したのは、希望した青少年育成分野で募集があったから。首都ビシュケクから東へ約140キロのチャイ州シャブダン・アタ村の中等学校へ派遣され、音楽を受け持った。
授業よりも作物の収穫など家の手伝いを優先する国柄。一生懸命準備した授業に生徒が誰も来なかったこともあったが、「この国にはこの国の価値観がある」と悩みながらも辛抱強く活動を続けた。
本紙を通じて提供を呼びかけた縦笛はリコーダークラブなどで活用した。帰国の約2カ月前にあった音楽コンクールでは教え子が県大会出場メンバーに。ホームステイ先のママから「寛子がやってきたことが子どもを通して表れたのよ」と言われ、じーんときた。
青少年育成から観光へ転換したJICAの方針変更で後任は当面送られない。
「もし、後任の人が決まったら、『あせらずに自分の信じたことを続けて』と伝えたい」
2年間、自分自身に言い聞かせてきた言葉でもある。
[ 寛子のキルギス日記 ]
掲載紙面(PDF):
2009年7月4日(1854号)1面 (8,885,949byte)
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