【第11回】子どもたちの可能性を信じて click to collapse contents
2008年03月08日
20年ぶりの極寒で国中の中等学校が10日間ほど閉鎖された1月に比べると、随分寒さも和らぎ、“氷の世界”から“雪の世界”になりました。こちらでは、雪は「暖かさ」の印なのです。
学校では楽器が充分にないため、歌うことが授業の軸になっているのには変わりありません。先月のように突然の学校閉鎖や急なイベント、時間割の変更でその日の授業がなくなることもしょっちゅうで、計画的な授業を行うことは困難です。
日本の学校とのシステム、指導方法、時間に対する価値観の違いに加え、教師のモチベーションの低さなど感じる問題は山積みです。
そんな中、「何よりも子どもたちに着目して」と自分自身に何度も言い聞かせながら、たまらなくやんちゃな生徒たちに向き合っています。
大人と話す時でも同じですが、生徒とのコミュニケーションで物足りないのは、どんな質問をしても「ジャクシ!(いい。気に入った)」の一言で返されてしまうことです。
授業で紹介した箏や音楽について感想文を書くことを取り入れたのですが、どの生徒も書いてあるのは「ジャクシ」。感想文を書くことだけでなく、自分の気持ちを表現した機会があまりなかったのかも知れません。
でも、日々変化する子どもたちのことですから、いずれはきっと自分の言葉で表現してくれる―と信じています。
今月はイスラム教の新年のお祭りがあり、学校は2週間のお休み。まだ先のことですが、6月からは3カ月間の夏休みがあり、その頃には赴任1年を迎えるわけで、そう考えると2年などあっという間です。
* * *
▽伊藤寛子さん=赤穂西中学校出身の25歳。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として平成21年6月まで中央アジア・キルギス共和国に2年間の単身赴任中。「ジュジュ」(キルギス語でひよこ)は現地でのニックネーム。
[ 寛子のキルギス日記 ]
掲載紙面(PDF):
2008年3月8日(1783・1784号)4面 (11,006,015byte)
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