2010年03月13日
「ウェン王子とトラ」 ○作・絵/チェン・ジャンホン ○訳/平岡敦 ○徳間書店
私は、中国の殷王朝時代(紀元前11世紀)の青銅器にひかれて、たびたび奈良国立博物館へ足を向けます。
この物語は、パリのセルニュスキ美術館に所蔵されている<雌トラ>という青銅器から着想を得て作られた、心揺さぶる迫力がある絵本です。
子どもを猟師に殺されたトラは、人間が憎くてたまらず、村々を襲い、家畜を食い殺していました。
それを聞いた王は、トラ狩りをすることについて占い師に尋ねますが、その答えは、「トラを殺してはならない。王子をトラに差し出せば国に平穏がおとずれる」というものでした。さて、どんな結末になるのでしょうか。
100年前には100万頭もいたトラが、現在は数千頭に減少しているそうです。人間と動物のかかわりについて改めて考えてみたいと思いました。
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「ウェン王子とトラ」
○作・絵/チェン・ジャンホン ○訳/平岡敦 ○徳間書店
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▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。平成15年7月に有年原の自宅に国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」を開設。「絵本は人生を豊かにしてくれる」と自費で集めた約2000冊を無料で貸し出している。第2・第4土曜日に開館。Tel49・2089。
[ 絵本で世界を旅しよう ]
掲載紙面(PDF):
2010年3月13日(1887号)3面 (9,614,496byte)
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