2010年03月13日
東郷平八郎が義士を称えて書した碑文「忠魂義膽」の原本
大石神社参道に立つ「忠魂義膽」の柱石
明治時代に日本海軍を率いた東郷平八郎・連合艦隊司令長官(1848−1934)が赤穂義士を称えて揮毫した墨跡「忠魂義膽(ちゅうこんぎたん)」が加里屋の花岳寺で初めて一般公開されている。東郷らの活躍を描いたNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の放送とも重なり、話題を呼びそうだ。
揮毫は「忠義を重んじ守る心」を意味する四字熟語の篆書体。義士をまつる大石神社の柱石に刻む文字として大正初期に書かれた。同神社の創建と旧大石邸保存には花岳寺21世住職・仙珪和尚(1838−1912)が用地取得と建設費用の募金、許可申請など全般にわたり尽力。22世住職・蓬仙和尚が、先代が思いを注いだ神社にふさわしい柱石をと、東郷の書の師だった藤野清輝を介して依頼した。
「忠魂」と「義膽」の2文字ずつ2本に刻んだ柱石は大正6年に赤穂城大手門頭に建立。門の改築などに伴い2度移転し、平成12年に現在ある神社参道に建てられた。
碑文の原本には「使用後は花岳寺で保存されたい」と藤野の手紙が添えられ、同寺は寺宝として墨跡を軸装。これまで公開したことはなかったが、来年が仙珪和尚の100回忌にあたることから義士宝物館で特別展示することにした。
同じ柱石の揮毫の依頼に対し、「熟考の結果、辞退する」とした陸軍大将・乃木希典の返書も展示。会期は平成23年12月末まで午前9時〜午後4時。拝観料は大人400円、高校生・大学生200円。Tel42・2068。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2010年3月13日(1887号)1面 (9,614,496byte)
コメント
12/23 参拝致しました。
忠魂義膽の膽という篆書体字は、判読出来ませんでした。勉強になりました。ありがとうございました♪
投稿:清水万里夫 2023年12月25日
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