2008年04月05日
市民の手で再生が始まった歴史博物館の緑地帯
芝生が枯れた公共スペースを市民の協力で緑化しようと、赤穂市立歴史博物館は家庭で増えすぎた花木の提供を求めている。同館によると、「市民から提供された草花で緑化を進めるのは全国的にも珍しいのでは」といい、協力を呼びかけている。
同館北側の緑地帯(約100平方メートル)は平成元年の開館当初、芝生が植えられていたが日当たりが良好でないため数年で枯死。土が露出したままになっている。
緑地帯は同館から赤穂城跡へ向かう清水門のすぐそばにあり、観光客がよく通る場所。同館は「国史跡の赤穂城跡にふさわしい庭づくりを」と市民の手による緑地帯の復活を発案した。
「元禄ガーデニング計画」と銘打ち、家で余っている花木を募集。市広報で呼びかけたところ、すでに10件以上の申し出。移植の適期を迎えたものから順に提供者自身が緑地帯に仮植えし、今秋に本格的な庭づくりを行う予定にしている。
「市民のみなさんが当館に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と計画を発案した藤田忠彦学芸員(43)。同じ面積を業者が整備した場合は少なくとも100万円はかかるとみられ、コスト削減にもつながれば一石二鳥だ。
自身もガーデニング愛好者の藤田学芸員は「自宅で花木を栽培していると、ついつい増えすぎて困るときがある。そんな場合はぜひ提供して」と呼びかけ。あじさいを夫婦で持参した坂越の50代女性は「日当たりが良くない家の隅よりも、ここでみんなに見てもらえるほうが花も幸せ」と丁寧に株を植えていた。
提供を募集しているのは、丈夫で特別な世話を必要としない低木や多年草。赤穂城跡復元の一環とするため、パンジー、ビオラなどの外来種は受け付けない。繁殖力が極端に旺盛なササの仲間なども不可。詳しくは同館Tel43・4600。
掲載紙面(PDF):
2008年4月5日(1788・1789号)6面 (10,624,212byte)
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