2010年07月10日
水路に落ちた犬を救助した長尾郁巳君(左)と片山雅人君
溝に落ちて上がれなくなった犬が通りがかりの中学生に救助され、無事に飼い主の元に戻った。飼い主は「感謝の気持ちでいっぱい。犬が助かったことと、やさしい心を持った子が地域にいてくれたことがうれしい」と感激している。
6月30日午後6時40分ごろ、朝日町の佐藤妙子さん(58)は愛犬のチコが家の中からいなくなっているのに気付いた。水路に面した自宅裏をのぞくと、80メートルほど東の橋に人だかり。橋から約3メートル下の水路(幅約6メートル)にチコの姿が見えた。
佐藤さんがあわてて現場へ駆け付けたとき、柔道部の練習を終えて下校途中だった赤穂東中学校1年の片山雅人君(12)=元塩町=と長尾郁巳君(12)=南宮町=が裸足になって水路へ。どろんこになるのもいとわず、2人で協力して犬を保護した。
チコは15歳のヨークシャーテリア。9年前、本紙の里親募集で佐藤さんが引き取り、夫正明さん(62)と大切にかわいがってきた。最近は白内障で目が見えず、裏口から誤って転落したと思われる。水かさが10センチほどと浅かったのが幸いしたが、あと約20メートル東へ進むと水深1メートル以上の急な落ち込みがあり、寸前で命を救われた。
「上がるところがなく、水路を行ったり来たり。水に濡れた寒さでブルブル震えていたので、助けてあげたいと思った」と片山君と長尾君。ゆっくりと近づき、犬がおびえないように気配った。
「助けてくれてありがとう」と佐藤さんから感謝の気持ちを伝えられた2人。照れくさそうにチコの頭をなでていた。
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2010年7月10日(1903号)1面 (10,234,078byte)