2010年11月13日
『世界を動かした塩の物語』 ○作/マーク・カーランスキー ○絵/S.D.シンドラー ○訳/遠藤育枝 ○BL出版
部屋のテラスに置いた岩塩がピンクになったり白くなったり、時には茶色に変化することから、この物語は始まります。
古代エジプトでは、塩はとても大切なものでした。その塩をローマへ運ぶ道は「サラリア街道(塩の道)」と呼ばれていました。唐時代の中国では国家収入の半分が塩によるものでした。万里の長城は塩のおかげで築かれたと言っても過言ではありません。
また、中世フランスでは、あまりにも税金が高いために塩の密輸が広がり、多くの人が処刑されました。インドの独立運動は塩の専売に反対する国民のデモ行進が大きな転機となったと言います。塩は時には「金」や「鉄」以上の価値を持っていたのです。
この塩のおかげで今日の暮らしがなりたっていることに改めて気づかされました。食卓に置いている食塩をまじまじと見ながら、塩の歴史について楽しく読み進みました。
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『世界を動かした塩の物語』○作/マーク・カーランスキー○絵/S.D.シンドラー○訳/遠藤育枝○BL出版
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▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。平成15年7月に有年原の自宅に国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」を開設。「絵本は人生を豊かにしてくれる」と自費で集めた約2000冊を無料で貸し出している。第2・第4土曜日に開館。Tel49・2089。
[ 絵本で世界を旅しよう ]
掲載紙面(PDF):
2010年11月13日(1919号)3面 (8,323,291byte)
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