2010年12月02日
子孫から奉納された赤穂義士・近松勘六の遺品
四十七士の一人、近松勘六が討ち入りで使ったと伝わる槍などの遺品がこのほど子孫から上仮屋の大石神社(飯尾義明宮司)に奉納された。同神社義士宝物殿で12月10日(金)から公開し、義士祭当日の14日には子孫らが奉納奉告祭を行う。
奉納されたのは、素槍(全長221センチ)、木製の台に鉄枠を乗せた行燈(高さ45センチ)、刀拵えの3点で、いずれも滋賀県野洲市比留田にある生家で子孫が保管していたもの。勘六の直系に当たる故近松重義さんの妻・志ずさん(69)が「義士ゆかりの地で多くの人に見てもらえれば」と奉納を申し出た。
近松家によると、槍は吉良邸討ち入りの際に用い、行燈は江戸の浪宅で使用したとの伝承がある。いずれも切腹後、江戸から郷里の庄屋・中村三平に送られ、形見として生家に届けられた。刀拵えは第二次世界大戦後の武具接収で刀身を失ったが、勘六愛用の一振という。
勘六は祖父から三代続けて浅野家に仕え、馬廻250石。山鹿流兵学に通じ、作戦参謀として内蔵助に重用されたといわれる。討ち入りには表門隊で参加した。奉納された槍は専門家の見立てでは「室町時代の作」といい、同神社は「史料にも近松勘六が槍を持って討ち入ったとの記述がある。遺品から元禄の昔に思いをはせてもらえれば」と話している。
義士宝物殿は拝観料420円(中学生以下無料)。午前8時〜午後5時。Tel42・2054。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2010年12月4日(1922号)1面 (13,085,954byte)
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