2011年01月18日
生徒たちに「今を大切に生きて」と語りかけた上野政志さん
阪神大震災で愛娘を失い、2年前には水害で教え子を亡くした佐用町東徳久の元小学校長、上野政志さん(63)が18日、塩屋の赤穂西中学校(高本登校長、413人)で講演。悲しい体験を基に語られる命の大切さに生徒たちが聴き入った。
上野さんの長女・志乃さんは神戸市灘区のアパートで震災に遭い、建物の下敷きになって亡くなった。2日前に成人式を終えたばかりだった。平成21年8月には台風9号による水害で、かつて教え子だった井土未晴さん(当時15歳)が犠牲になった。
「生きてこそ−1・17を忘れない」と題した講演で上野さんは、自身の体験や子どもを事故で失った親の手記を紹介。「途中で子どもを亡くすことがどれだけつらいか。残された者は死ぬまで悲嘆を背負う」と心情を吐露。自殺の問題にも触れ、「人生は苦しいことばかりではなく、楽しいこともやってくる。命を粗末にせず、今を大切に生きて」と訴えた。
3年の君野吏君(15)は「自殺は、自分を生んでくれた親に対して失礼なことで、絶対にしてはいけないと思った」と受け止めていた。
[ 子供 ]
掲載紙面(PDF):
2011年1月22日(1929号)4面 (8,189,612byte)
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