2011年02月08日
西播磨で初めて古墳時代の鍛冶炉跡が見つかった有年牟礼・井田遺跡。メジャーを当てている部分が炉跡
兵庫県立考古博物館が発掘調査を進めている「有年牟礼・井田遺跡」で、炉跡を含む古墳時代後期末(6世紀末〜7世紀初頭)の鍛冶遺構がこのほど見つかった。同博物館によると、「この時代の鍛冶炉跡が発見されたのは県内でも珍しく、西播磨では初めて」。2月11日(金・祝)に一般向け現地説明会を開く。
発掘現場はJR有年駅の北東約300メートルの一帯。国道2号の付け替え工事に伴い、同博物館が昨年12月から約2000平方メートルを発掘調査している。
遺構は調査区西側の一角。耕土から約40センチ掘り下げた地層で炉底とみられる直径約40センチの赤茶けた焼土面が見つかった。半径10メートル以内では掘立柱建物跡と考えられる柱穴列、鉄滓(てっさい、製鉄時に出るくず)が出土。また、20メートルほど離れたところからは炉に空気を送り込む「ふいご」の羽口片も発見された。
同博物館の岸本一宏学芸員(52)は「柱穴は鍛冶工房に関連のある建物跡の可能性が高く、そこで農具や武器を作っていたのではないか」と推測。「当時の生活を知る上で貴重な調査成果」と話している。
有年牟礼・井田遺跡は土地区画整理に伴い、赤穂市教委が平成19年度から3カ年かけて発掘。これまでに弥生中期後半の竪穴建物跡、古墳前期の土器溜まりなどが見つかっていた。今回の調査でも、これらの時代の特徴を示す土器が多く出土した。
現地説明会は午後1時半から。小雨決行。Tel49・3644。
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2011年2月12日(1932号)1面 (4,456,392byte)
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