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全国新酒鑑評会で「忠臣蔵」金賞

2011年06月04日

  • 全国新酒鑑評会で金賞の「忠臣蔵」と奥藤利文社長

    全国新酒鑑評会で金賞の「忠臣蔵」と奥藤利文社長

 日本中の蔵元がその年の新酒を持ち寄って出来栄えを競う「平成22年度全国新酒鑑評会」(独立行政法人酒類総合研究所など主催)の審査結果がこのほど発表され、赤穂市内で唯一の酒蔵を坂越で経営する奥藤商事の「忠臣蔵」が金賞酒に選ばれた。8年ぶり3度目の受賞に奥藤利文社長(53)は「自分たちの酒造りが認められたことがうれしい」と喜びをかみしめている。
 鑑評会は明治44年に始まり今年で99回目。一つの蔵につき1点のみ出品でき、審査員が「香り」や「味の良さ」など5項目で採点する。今回は875点が集まり、予審を通過した437点が決審へ。244点が金賞酒に選ばれた。
 昨年の猛暑で原料の酒米は全国的に不作。奥藤社長も「例年よりも実が固く、米の旨味が出しにくかった」と振り返る。「香りと味のバランスがくずれないように」コメを蒸す時間、空気にさらす時間を工夫した。
 慶長6年(1601)創業で400年以上の歴史を誇る同社。伝統的に庶民に愛される酒を醸してきたこともあり、鑑評会への出品は大吟醸酒を仕込むようになった平成3年度から。3年前、同社の醸造を長年担当してきた杜氏が高齢で引退し、自社従業員だけになってから初めての金賞で、これまでとはひと味違ううれしさがある。
 4年前からは西播磨地域のメーカーでつくる「姫路酒造組合」に加盟。「播州を灘五郷に負けない酒処にしよう」との志を掲げ、ライバルでありながら情報やアイデアをやり取りし、レベルアップに努めてきた。今回の鑑評会には同組合から5社が出品し、4社が金賞となった。
 「酒造りの階段はどこまでも上に続いている」と奥藤社長。「これからも、ちゃんとしたお酒を造るために精進していく」と意欲を新たにしている。
 受賞酒と同じ樽で仕込んだ「忠臣蔵 大吟醸」(720ミリリットル、3590円)は7月初旬から一般発売される。Tel48・8005


商業・経済 ]

掲載紙面(PDF):

2011年6月4日(1946号)1面 (9,988,298byte)


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