2011年12月10日
前橋アートコンペライブ2011でグランプリを受賞した寺村サチコさんの作品「2分の1の二乗」=前橋文化デザイン会議実行委員会提供
現代美術の新進アーティスト発掘を目的とする公募展「前橋アートコンペライブ2011」の公開審査が4日、群馬県前橋市であり、赤穂出身の寺村サチコさん(25)=多摩美術大学大学院=の繊維造形作品「2分の1の二乗」が最高賞のグランプリに輝いた。
薄絹の一枚布を絞り染め、さらに折り目を付けてボリュームを出した。まとめればオブジェ、広げればマントのように身にまとえるフレキシブルな形状。黒をベースに赤、青、黄などが複雑にからみ合う色調。「キュレーション(展示演出)したくなる作品」(秋元雄史・金沢21世紀美術館長)と変幻自在な奥深さが審査員の心をつかんだ。
同コンペは今年で15回目。技法、素材、テーマは自由で若手作家の登竜門的なコンクールとなっている。寺村さんは初出品した2008年大会でも審査員賞を受賞し、2度目の応募で最高賞を射止めた。主催者によると、「繊維造形をメーンとした作品のグランプリは大会史上初」だという。
「いろんなジャンルの作品が集まった中で、繊維造形を評価していただけたことがうれしい」と寺村さん。「一枚の布を絞ることによって、平面が立体になっていくおもしろさ」をこれからも追求していく。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2011年12月10日(1970号)4面 (9,953,083byte)
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