2012年01月12日
安全で安心な市民生活の確保などを目的に、赤穂市は「暴力団排除条例」の制定に向けて素案をまとめた。市民の意見を聞くパブリックコメントを10日からスタート。4月施行を目指し、3月議会に提案する予定だ。可決されれば、兵庫県内の市町では神戸市、丹波市に次ぐ制定となる見通し。
条例案は全12条で構成。暴力団について、「市民生活の平穏を害し、青少年の健全な育成を害する」と位置づけた上で、「市民生活から排除されなければならない」と明記。行政としての責務を明文化し、市民や事業者に対しても情報提供に努めることを求めている。
また、▽暴力団や組員が役員▽暴力団に利益供与−など暴力団と直接的な関係を持つ事業者だけでなく、こうした関係を知りながらそれらと取引している事業者も「暴力団密接関係者」と定義。市のすべての事務・事業で「契約の相手方としない」と規定している。
昨年4月に兵庫県と神戸市が暴排条例を施行して以来、赤穂市でも制定に向けた取り組みが加速した。昨年6月議会では「市条例を早急に制定すべき」(釣昭彦議員)との一般質問に対し、豆田正明市長が「調査研究する」と答弁。市は関係機関と協議しながら条例案をまとめた。
暴排条例制定の動きは県下の他自治体にも広がっている。昨年12月議会で条例可決した丹波市は今年4月施行を決定。他にも約20市町が具体的な目標時期を掲げて準備中で、その半数以上は赤穂市と同様、3月議会での可決を目指しているという。
赤穂市内では昨年2月、唯一残っていた暴力団組事務所が閉鎖。市安全安心担当は「現在の状況を維持していくためにも、条例は必要と考えている。地域が一体となった暴力追放を推進していきたい」と話している。
パブリックコメントは2月8日(水)まで。条例案は市安全安心担当(市役所3階)と各公民館で閲覧できるほか、市ホームページでも公表している。
[ 政治 ]
掲載紙面(PDF):
2012年1月14日(1975号)1面 (10,480,347byte)
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