2012年02月18日
人気商品になりつつある「フロンティア」のラスク
障害者の雇用創出を目的に洋菓子の製造販売に取り組むNPO法人「フロンティア」(佐藤文和理事長)が最初の商品として焼き菓子のラスクを発売。素朴な風味、カリッとした歯触りが人気を呼び、売れ行きを伸ばしている。
同法人は昨年12月、赤穂市内で2カ所目となる「就労継続支援A型事業所」を開設した。就労訓練を目的とする授産施設やB型事業所と異なり、利用者と雇用契約を結ぶため、障害者が安定した就労を得られるメリットがある。
加里屋にある給食会社の空き部屋を借り、最初は3人でスタート。ラスクの製造方法はパティシエから学び、素材のフランスパンは専門店から仕入れている。輪切りにしたパンをカリカリになるまでオーブンで加熱。焼き上げる時間はその日の気温や湿度によって15〜25分と変わるため、スタッフが付きっきりで目を配る。
市民病院、大石神社の売店で売り出したところ、徐々に人気が広まった。今月からはスーパー「主婦の店」の市内各店にも販路を拡大し、雇用人数を12人に増員。各自の得意に合わせて作業を分担することができ、効率だけでなく意欲の向上にもつながっている。
「開所当時に比べて働くみなさんの表情が大きく変わった」と話すのは事業所管理者の井上育俊さん(52)。注文を受けたときのうれしさ、生産目標を達成する喜び。そうした経験を積むたびに、責任感や向上心が高まる好循環が生まれているといい、「まだ始まったばかり。でも、会社組織として成り立つことを目指してスタッフみんなでがんばっていきたい」と活路に希望を見出している。
ラスクはプレーン、チョコ、玄米など6種類。1袋(5枚入り)120円で販売している。問合せはTel43・2255。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2012年2月18日(1980号)1面 (9,118,947byte)
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