2012年03月13日
▽震災から一年。昨年6月に赤穂からの炊きだし支援に随行取材して以来、9カ月ぶりに宮城県石巻市を訪ねた。現地の人たちの言葉からー
▽北上町十三浜の主婦、遠藤やよ子さん(60)は南三陸町の実母を津波で亡くした。生家も流された。「女にとって実家は心の拠り所。辛いときに帰れるところがないのが辛い」
▽遠藤さんと同地区の漁業、鈴木学さん(67)。津波で壊れた漁船を修理して仕事を再開した。「今はワカメの最盛期。次はコンブ、それからホタテだな」。ギュッと握手した手は力強かった
▽「食べ物と住む所を確保することで精一杯の一年でした」と雄勝町水浜の秋山勝子さん(68)。仮設住宅は「あと1年」と役所から言われた。いずれ高台移転かアパート転居を迫られる。「私にとっての“復興”はない」。浜に住み、夫婦で漁をした以前の暮らしへの未練を断ち切るかのよう
▽河北総合センターで追悼式の準備をしていた市職員の40代男性。「関西ではどうですか。こっちの様子って、わかってもらえてますか」
[ コラム「陣太鼓」 ]
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