2012年05月30日
「忠臣蔵 大吟醸」で2年連続金賞を受賞した奥藤利文社長(左)と蔵人の岩渕徹さん
赤穂市内で唯一の造り酒屋、奥藤商事の大吟醸「忠臣蔵」が、このほど開かれた全国新酒鑑評会で最高賞の金賞に選ばれた。金賞は2年連続4度目。奥藤利文社長(54)は「自分たちの酒造りが認められたことがうれしい」と喜びを語っている。
通算100回目となった歴史ある鑑評会。独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が共催し、全国から清酒876点が出品された。香りの質や酸化の有無など15項目をチェックする予審で振るいにかけ、決審では32人の審査員が総合評価。「特に優秀」と判定された247点を金賞に認定した。
受賞した「忠臣蔵」は精米歩合40%に磨いた山田錦を使用し、前年と同じ1月5日に仕込みを開始。もろみの温度管理と撹拌回数に細心の注意を払い、酒米の旨味を最大限に引き出した。
結果発表後に広島県で行われた製造技術研究会に蔵人の岩渕徹さん(41)らと参加した奥藤社長。3月初旬の絞りたて時期に試飲したときは「正直、金賞は難しいと感じた」が、改めて口に含んだ自社の酒は「なめらかで、のどの奥にすっとおさまる香りと味」に“化けていた”という。鑑評会の出品酒がずらりと並ぶ中、瓶に掛けられた金賞札を見て、実感がこみ上げた。
4年前に長年勤めた杜氏が高齢で引退。「仕込みの配合など、まだまだ経験の蓄積が足りない」と話す一方、「今まで見えていなかった課題がわかってきた。もっと旨い酒が出来るはず」と手応えも。「これからも“忠臣蔵”の名に恥じない一本をつくっていく」と意欲を新たにしている。
「忠臣蔵 大吟醸」(720ミリリットル、3590円)は6月中旬から一般発売。市内の主な酒販店で予約を受け付けている。
[ 商業・経済 ]
掲載紙面(PDF):
2012年6月2日(1993号)1面 (7,268,658byte)
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