2012年07月28日
赤穂市民病院(實光章院長)は有年、高雄、福浦の3診療所について、院内処方を今月いっぱいで廃止し、8月から院外処方に切り替えることを決定した。
患者は医師が発行した処方箋を薬局へ持参して薬剤を受け取るが、一人暮らし老人など一定の条件を満たす場合に限り、患者宅へ薬剤を配達するシステムを導入する。同病院医療課は「ご不便をおかけしますが、お薬をより安全に服用していただくためにも、ご理解とご協力をお願いします」と話している。
薬局からの配達が認められるのは、「患者が老人で一人暮らし、または看護者が開局時間中に来訪できない」という場合。処方箋に依頼書(同意書)と自宅地図を添え、診療所から薬局へファクス送信すれば薬剤師が薬を患者宅へ配達する。2度目以降は処方箋のみの送付で済み、前回と調合内容が同一なら薬剤師以外の従業者でも配達できる。
同病院によると、配達に応じるのは赤相薬剤師会に加盟の34薬局中16薬局。患者は薬局によって異なる配達曜日や時間帯、地域を参考にして依頼先を選ぶ。
同病院は今年5月、診療所がある地域の自治会役員に概要を説明。6月から診療所内に告知を掲示し、従来から通院している高齢者に配達希望の有無を確認した。今月18日時点で60件の依頼があった。
院外処方は医療費の肥大化や、薬価差益で医師や病院が不当な利益を上げているとの指摘を背景に、国が「医薬分業」の一環で推進し、同病院は平成12年に本院で導入した。診療所については「近くに薬局がなく、患者にとって不便」と、医師の監督下で看護師が調剤する方法で院内処方を継続してきたが、「看護師の負担が大きい」などの理由で昨年1月から廃止を検討していた。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2012年7月28日(2000号)1面 (7,112,547byte)
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