2008年06月14日
「ヨンイのビニールがさ」
きょう紹介するのは、ある雨の日の物語です。
女の子は登校中、雨にぬれながら物ごいをしている老人を目にします。一旦は学校に行くのですが、どうしても老人のことが気になり、わざわざ学校を抜け出して自分の傘を差し出します。
この子にとっては、自分が学校から帰るときのことより、今、雨にぬれている老人が心配になったのでしょう。
幸いにも、下校時には雨はあがり、老人がいたところには女の子が貸してあげた傘がそっと立てかけてありました。少女の思いに老人も応えたのですね。
人の思いをどう受け止めるかということは大変難しいことです。ちょっとした思い違いから取り返しのつかないことになることもあります。
私たちが忘れかけていた大切なものを教えられた気持ちになり、雨の日でもちょっと出かけてみたくなりました。
* * *
「ヨンイのビニールがさ」○作/ユン・ドンジェ○絵/キム・ジェホン○訳/ピョン・キジャ○岩崎書店
* * *
▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。平成15年7月に有年原の自宅に国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」を開設。「絵本は人生を豊かにしてくれる」と自費で集めた約2000冊を無料で貸し出している。第2・第4土曜日に開館。Tel49・2089。
[ 絵本で世界を旅しよう ]
掲載紙面(PDF):
2008年6月14日(1799号)3面 (7,733,473byte)
コメント
※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。