2008年06月14日
移植した一部が順調に生育している大塚海岸のアマモ。左上に小魚が見える
お魚いっぱいの海になればいいな―。そんな子どもたちの願いを込めて今年2月、御崎・大塚海岸沖に移植された海草のアマモ苗が順調に生育している。小魚が寄り付き始めた藻場の様子をカメラに収めた「赤穂海っ子倶楽部」の三島正嗣さん(44)は「苗を育ててくれた子どもたちにもいい報告ができた」と喜んでいる。
アマモの生育が確認されたのは、海岸から約100メートル沖合いにある通称・ライオン岩のそば。
厳寒期の2月中旬、御崎・尾崎小の3年生(当時)が発芽させた苗を三島さんらボランティアダイバー5人が水温7度の海中に潜って移植。150株植えたうち3割以上が根付き、高さ10センチほどだった苗は25〜40センチに伸びているという。
アマモは浅い海底に生育する多年草。小魚の住処や産卵場所になることから“海のゆりかご”と呼ばれ、減少の一途をたどる海資源復活の一手段として全国各地で藻場の再生が取り組まれている。
各地のアマモ再生活動を支援しているNPO「アマモ種子バンク」=西宮市=によると、移植した苗が根付くには土壌、日当たりなどの条件が揃わなければ難しく、「ほとんどは根付く前に波にさらわれてしまう」という。
「波に流されずに残ったことで第一関門はクリアした」と三島さん。秋までに一旦枯れて11月ごろ再び芽を出すといい、「次のハードルは無事に越冬できるかどうか。乗り越えてほしい」と切に願っている。
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2008年6月14日(1799号)1面 (7,733,473byte)
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