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大水害から120年、千躰観音を修復へ

2012年09月15日

  • 報恩堂とともに修復が始まった花岳寺の「千躰観音像」

    報恩堂とともに修復が始まった花岳寺の「千躰観音像」

 加里屋の曹洞宗花岳寺(片山一良住職)は、明治25年の千種川大水害で亡くなった人などを弔う「千躰観音像」と報恩堂の修復にこのほど着手した。
 「赤穂市史」によると、明治25年7月23日、台風による大雨で千種川が決壊。南野中村、尾崎村などで計89人が死亡する大惨事となった。同寺の伝承では、千躰観音像は犠牲者の冥福を祈るために遺族たちが奉納。もともと報恩堂があった寺が廃寺となり、昭和35年に堂宇ごと花岳寺へ移された。
 千躰観音は大小合わせて1018体あり、胴体部に金箔を貼っている。背面には赤字で奉納者の氏名。しかし、ここ数年、木像も建物も老朽化が目立ってきた。
 まず報恩堂の修繕を先に行い、一旦運び出した観音像を再び安置。その後、像の修復を小分けして行う。費用は総額1000万円。1口1000円で寄付を募る。
 水害発生から今年でちょうど120年。同寺は「礼拝の場、仏法を学ぶ場として堂を維持したい。一人でも多くの方から賛意を得られればありがたい」と協力を呼び掛けている。Tel42・2068


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2012年9月15日(2005号)1面 (14,877,312byte)


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