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自校の酒米で醸造体験

2012年12月01日

  • 自校で栽培した酒米で醸造体験中の上郡高生

    自校で栽培した酒米で醸造体験中の上郡高生

 上郡高校(松崎隆幸校長)の農業科生徒3人が、実習で収穫した酒米を原料に醸造体験に挑戦している。稲作から蔵元作業までを通して高校生が取り組むのは全国的にも珍しく、種もみから稲穂を経て、白米、麹(こうじ)、そして清酒へと姿を変えていく過程を通して生徒たちはものづくりの大変さとおもしろさを実感している。
 同校は農業実習の作物に今年度初めて酒造好適米の「兵庫夢錦」を追加。学校農場の水田90アールのうち20アールに作付け、農業科生徒が播種から一貫して栽培した。750キロを収穫してJAへ出荷。全量を赤穂市郡内で唯一の日本酒蔵元、奥藤商事=坂越=が購入した。
 チャレンジしているのは、岡本伊織君、塩江素季君、高木未来さんの3人で、いずれも2年生。先月上旬、同社でのインターンシップ(職業体験)で自分たちが栽培した酒米から麹(こうじ)を作る工程を杜氏の指導で体験した。インターンシップは5日間で終了したが、同社の奥藤利文社長(55)が「どうせなら絞りや瓶詰めまで、できるだけ多くの工程に関わってみては」と提案。3人は麹を仕込み樽へ移す日に合わせ、11月23日から26日まで再び酒蔵へ入った。
 26日は三段仕込みの最終日。大釜で蒸した米を放冷機で冷やし、タンクに仕込む作業を手伝った。生徒たちは「一粒も無駄にしないように」と網や布に残った米を丁寧に集め三尺樽へ。櫂を差し入れて静かに攪拌し発酵を促した。
 醸造アルコールを添加しない純米酒として一升瓶500本分を年内出荷できる見込みで、「高校生が頑張ったフレッシュな一本。やさしさの中にもキリっと引き締まった味わいに仕上げたい」と奥藤社長。瓶に貼る銘柄ラベルのデザインも生徒のアイデアを取り入れるという。
 3人は「酒造りも米作りと同様に、たくさんの手間と労力をかけていることがわかった。みんなに好かれる味になってほしい」と蔵出しの日を楽しみにしている。
 販売に関する問合せは同社Tel48・8005まで。


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掲載紙面(PDF):

2012年12月1日(2016号)1面 (8,304,197byte)


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