2013年03月20日
一時避難場所を見直した大津地区の検討会
津波や大雨による大規模災害からより安全に身を守ろうと、大津地区の住民が一時避難場所を見直す検討会を開催。20日にあった3回目の会合で独自のハザードマップを完成させた。出来上がった地図は地区内7カ所にある集会所に張り出して日頃からの意識付けに役立てる。
一部エリアが県の「津波浸水想定区域」になっているほか、江戸時代には集中豪雨で決壊したため池からの洪水で死者が出たとの記録が残る大津地区。現行のハザードマップでは、河川に架かる橋を渡って自宅よりも海抜が低い場所へ避難しなければならないケースもあることから、自治会(旧林茂存会長)が老人会、子ども会などに見直しを提唱した。市消防本部の協力を得て昨年から話し合いを重ねてきた。
この日は各団体の役員ら約40人が大津中央集会所に集まり、前回まとめた素案をたたき台に協議。畳2枚ほどの大きさに拡大した地区の地図を床に広げ、地形や標高を考慮しながら、より安全な避難先とルートを模索した。
検討の結果、ほとんどの集落が市の想定する一時避難場所ではなく、山陽道のインターチェンジや身近な裏山などを逃げ場に選んだ。集落単位にこだわらずに家屋の立地によって避難先を変えるなど、実態に即したきめ細かい計画を立てた。
大津川東岸の集落「荒前組」は、津波の場合は海から遠ざかる赤穂精華園方面へ、ため池決壊ならインターの高速バス停留所へと災害によって異なる避難場所を設定した。松原朋也組長(52)は「どこへ逃げるべきか明確に出来た。ご近所にしっかりと伝えたい」と話した。
同地区では今後、独自マップを活用した避難訓練を行う予定。旧林会長は「樹木の伐採や草刈りが必要な避難場所もある。命を守るために地域で協力したい」と次のステップへ目を向けている。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2013年3月23日(2031号)1面 (8,431,526byte)
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