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歩いて買い物 喫茶で交流

2013年04月13日

  • 地域の交流サロンとして好評な「さこし高瀬舟」。店内には笑顔と笑い声が絶えない

    地域の交流サロンとして好評な「さこし高瀬舟」。店内には笑顔と笑い声が絶えない

 買い物の不便を少しでも解消しようと、坂越・上高谷地区のシニア夫婦が地元にオープンした小さな日用品店が地域の高齢者の間でとても喜ばれている。売り場面積は1坪ほどしかないが生活必需品を中心に約300品目を取り揃え。店舗の奥側には15席の喫茶コーナーがあり、買い物ついでの一服で会話が弾む。
 坂越公民館の西隣りで今年1月に開店した「さこし高瀬舟」。上下5段の陳列棚2つをL字型に置いた“売り場”に食料品、洗剤、ティッシュペーパーなど日々の暮らしに欠かせない品が並ぶ。カウンターとテーブル計15席の喫茶コーナーは、絵画や写真などを吊り掲げる展示用レールがあり、ミニギャラリーとしても活用できる。
 店を開くのは、近くに住む橋本睦男さん(66)・道子さん(65)夫妻。約130世帯が暮らす同地区は数年前から食品や生活用品を売る店が一軒もなくなった。加えて進む高齢化。一人暮らしのお年寄りが醤油一本を買うにもバスに乗って市街地まで出掛けなければならない現状を「何とかしたい」と思い立った。
 開店から3カ月。「歩いて買いに行けてありがたい」「知った顔に会えるのが楽しみ」と常連客を中心に一日平均10〜20人が来店する。ニーズに応えようと“多品種少量”の棚出しを工夫し、オープン時に100種類ほどだった商品数をおよそ3倍に増やした。数は多くないが野菜や果物、豆腐など生鮮食品も仕入れる。扱っていないものを求められれば、営業後にわざわざスーパーで購入して宅配することも。「もともと儲けるために開いた店ではないので」と採算性には目をつぶる。
 橋本さんは毎月第2日曜日に旧JA坂越支店で地区の人たちが協力して開く「軽トラ朝市」の世話人も務める。大正ごろまで千種川を往来する高瀬舟が発着し、かつては物流の要所として栄えた同地区。店名には地域への誇りと感謝に加え、「活気とにぎわいを取り戻そう」というメッセージも込められている。
 月曜から木曜の午前10時〜午後4時営業(喫茶コーナーは3時まで)。5月9日(木)まで坂越公民館絵画サークル「スケッチブック」の作品を店内に飾る。Tel48・7122


社会街ネタ ]

掲載紙面(PDF):

2013年4月13日(2034号)1面 (9,792,517byte)


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