2013年06月24日
昭和57年に整備されてから初めて開かれた加里屋川放水路の水門
加里屋川の洪水を千種川へ流下させるために南野中から細野町にかけて整備されている「加里屋川放水路」で21日、昭和57年の整備以来、初めて水門が開けられた。
放水路は昭和51年の台風17号水害を契機に「激甚災害対策特別緊急事業」として整備。平時は千種川からの海水が逆流しないように合流部の水門を閉鎖し、洪水時は上流からの水をポンプで強制排水している。
県光都土木事務所によると、水門を開けると沿川の井戸で水位が一時的に低下する影響が出ることもあり、「竣工以来、点検や修繕以外では水門を開けたことが一度もなかった」という。水路に堆積した土砂の悪臭や水草の除去の要望が住民から寄せられ、水門を開ける準備として今年3月から5月にかけて浚せつを行った。
放水路の浄化を目的にした水門のオープンは地元自治会、漁協などの協力を得て実施。引き潮に合わせて職員が排水機場の操作室でボタンを押すと、ガタンという音とともに遮へい板が上がり、すき間から水が勢いよく流れ出た。
2時間半で約2万トンの水を流下させ、ゲートの開き具合による千種川の水位、流速の変化についてデータを収集した。同土木事務所は「安全面も確認できたので、水門の開閉を活用した維持管理に努めたい」と話している。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2013年6月29日(2043号)3面 (8,775,378byte)
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