2008年07月16日
燃料費高騰による苦境を訴えようと全国の漁業関係者が15日に行った一斉休漁に歩調を合わせ、赤穂市漁協も同日の出漁を取りやめた。
一斉休漁は全国漁業協同組合連合会(全漁連)など16団体約20万隻が実施。東京・日比谷公園で全国から上京した漁師約4000人が総決起集会を開いた。
赤穂市漁協もこの日、組合員104人全員が漁を自粛。空いた時間を利用して御崎、福浦、坂越、中広の4カ所で港や係留所の清掃活動を行った。関係者によれば、翌16日がちょうど市場の休業日だったため、「消費者への影響は少ない」という。
同漁協によると、かねてより減少傾向だった瀬戸内海の漁獲高はここ3、4年でますます落ち込んだ。そこに追い討ちをかけた原油高は燃料費だけでなく、魚網や魚を入れる発泡スチロールなどの価格も吊り上げ、「漁に出ても赤字の日が増えた」と嘆く。
総決起集会から帰穂した前田一實組合長(80)は「魚の価格低迷、後継者不足など水産業界はただでさえ課題が山積み。せめて燃料費問題だけでも何とかならないものか」と悲痛な表情を浮かべていた。
全漁連は今後も一斉休漁を実施する可能性があることを示しており、休漁期間が長期に及んだ場合の流通や価格への影響が懸念されている。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2008年7月19日(1804号)1面 (7,343,690byte)
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