2014年05月04日
梨ヶ原自治会員以外の入場を禁じて行われた産業廃棄物最終処分場の事業説明会
千種川水系の二級河川・梨ヶ原川の源流部にある西有年の山林を計画地とする産業廃棄物最終処分場の事業説明会が3日、上郡町梨ヶ原の集会所であり、事業計画が行政の認可を受けた場合、事業者の東洋開発工業所(大阪府豊能郡)が廃棄物処理業大手の大栄環境(本社・大阪府和泉市)に身売りする予定であることが明らかになった。
説明会は同川の直下域にある梨ヶ原自治会が主催。「説明会開催が、自治会として処分場計画に賛成を表明するものではない」との前提で開かれ、事業者側から5人、住民約40人が参加した。出席した住民の話では、冒頭にあいさつした東洋開発工業所の役員が自社について「恥ずかしながら皆様方の信頼をちょうだいするには不十分、力不足」と卑下し、「弊社の株式全体を大栄環境に売却し、100%子会社になる。事業の運営管理は大栄環境が責任をもって行っていく」と話したという。
説明会で示された計画概要によれば、事業面積は全体で21・8ヘクタール。遮水工、水処理施設、調整池などを整備した上で、そのうち14・6ヘクタールにがれき類、汚泥、ばいじんなど13品目の廃棄物を持ち込み、20年間で302万立方メートルを埋め立てる−というプラン。遮水工に敷くシートは保護マットを含めた5層構造で、漏水検知センサーは設置せず、観測井の水質チェックで異常の有無を調べる−と説明があったという。
質疑応答では「調整池だけで集中豪雨をシャットアウトできるとは思えない」「遮水シートが破れたら、どのように対処するのか」など、防災や環境面の危険性を不安視する意見や質問が出された。事業者側は「工事したことによって洪水が発生するようなことのないように設計する」「廃棄物の重さで遮水シートが破れることはありえない」と安全性を強調したが、具体的な根拠を問われると、「現場の測量や調査をしてみないとわからない」「信用してくださいとしか言えない」と答えるにとどまったという。
説明会は梨ヶ原自治会員に入場を限定。大栄環境グループの会社案内パンフレット以外に資料は配布されず、プロジェクターで文章や図面を投影しながら口頭による説明だったという。今年2月に大栄環境が三木市内で運営する管理型最終処分場を見学したという男性は「大手が請け負うのであれば安心」と計画に前向き。別の男性は「肝心な部分は説明が上滑りしていた。不安は解消されなかった」と計画の安全性を疑問視した。
大栄環境の社員は説明会開始前、赤穂民報の「計画地がある西有年自治会への説明は行わないのか」との問いかけに、「いずれ実施することになる」と答えた。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2014年5月17日(2087号)3面 (10,345,416byte)
コメント
自然災害の多い昨今!汚染水が多量に流れ込んだら、大変です。
投稿:まる子 2015年08月31日
株式会社東洋開発工業所 大阪府豊能郡豊能町光風台3丁目20−8 代表 西脇勝。所在地は現 株式会社西脇工業所 (業種 水道衛生工事)と同じ。 光風台レックスマンション東側に位置か。
投稿:B 2014年05月12日
東洋開発工業は、産廃最終処分場計画を確実に進めるためのダミー会社じゃないの?大栄環境のやり口は、限りなくダーティ。
投稿:うさんくさい 2014年05月12日
どんな小さな事業所さえも掲載されているであろうGoogleに、「東洋開発工業所」の名前はひとつもありませんが、、、。
本当に株式会社?
投稿:A 2014年05月09日
「会社が変わりましたので、前の会社のことはわかりかねます。」
投稿:きっと 2014年05月07日
転売、子会社、そんな業者信用でけへんやん!!
ダミーか、何かわからん!
投稿:はてさて? 2014年05月06日
認可受けてから株式譲渡するなら、
最初から譲渡先の企業名で申請すべきではないのですか?
投稿:疑問 2014年05月05日
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