赤穂民報

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絵画と写真のダブル個展

2014年06月14日

  • 画家、写真家としての30年以上にわたる活動成果を発表する山本雅也さん

    画家、写真家としての30年以上にわたる活動成果を発表する山本雅也さん

 画家と写真家の両面で独自の表現を追求し続けている赤穂出身の男性が6月18日(水)から22日(日)まで姫路市本町の「イーグレひめじ」で個展を開催する。30年以上にわたる活動の成果を一堂に並べる展示は見応えがありそうだ。
 「山本雅也/現代美術と写真の世界展2014」。
 尾崎生まれの山本さん(59)=姫路市野里=は18歳で現代絵画の小野田實(1937−2008)に師事。26歳のとき、職場の先輩でもあった写真家の関本寿男氏(1940−1993)の勧めでカメラを始めてからは「絵と写真の二刀流」(山本さん)を続けている。故郷の美術家集団「群象の会」にも所属し、制作活動に没頭する日々を送っている。
 山本さんの絵画作品は平面デザインの重なりを鮮やかに描く抽象画。複数のアクリル絵の具を乳鉢で調合して望みの色を創り出し、刷毛の痕跡を残さずに塗り重ねていく。21歳で初出品した姫路市美術展で市長賞に輝くなど早くから注目された。
 一方、写真は人物描写に主眼を置き、祭りや人々の暮らしなどをモチーフに好む。作為的な構図を嫌い、「今という現実をそのまま表現」することだけを考えてシャッターを切ったという作品群は、深い陰影に浮かび上がる被写体が心に残る。
 個展は今回で4度目となるが、絵画と写真を同時に展示するのは初めて。絵画はコンクール入賞作をはじめエアブラシを使った意欲作「誕生」(S50号)など約60点、写真は「最初に撮影の感動を知った作品」という初期の組写真「厳冬の冬」から新作まで30作品以上を全紙大で展示する。
 「キャンパスに向かって刷毛を動かしているときが至福のとき。被写体に巡り会えたときは胸の鼓動が抑えられない」と語る山本さん。姫路美術協会運営委員長、全日本写真連盟の兵庫県本部副委員長としての公務も多忙だが、制作活動への意欲は高まる一方だという。還暦を迎えるタイミングに開く今展は「これまでの集大成でもあり、これからの出発点でもある」と位置付けている。
 地下1階の市民ギャラリーで午前10時〜午後6時。入場無料。


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2014年6月14日(2091号)3面 (8,314,867byte)


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