2014年07月12日
貴重な調査成果をまとめた『有年牟礼・山田遺跡発掘調査報告書』
赤穂市教委は平成23年度に行った有年牟礼・山田遺跡発掘調査の報告書をこのほど刊行。県下最大級の規模を誇る方形周溝墓など調査成果を詳細にまとめた一冊で、市教委は「周辺地域の歴史を明らかにする上で必要不可欠な資料」と意義を強調している。
JR有年駅の北東約800メートルにある同遺跡では、平成23年度の発掘調査で弥生後期末〜古墳初頭(約1800年前)に築かれたとみられる方形周溝墓(南北16・4メートル、東西20・6メートル)が出土。それまで、有年原・田中遺跡など周辺地域では弥生後期以前の円形墳墓しか見つかっておらず、赤穂市内で初めて方形周溝墓が出土したため注目を集めた。
報告書はA4判154ページ。発掘現場や出土した土器片などの写真200点以上を盛り込み、巻頭図版では遺跡の空中写真などをカラーで掲載している。
報告書では、方形周溝墓は「近畿地方の方形周溝墓の影響を受けたものと理解するのが妥当」と解説。一方、出土した土器には讃岐、吉備など西側地域から持ち込まれたものも含まれており、編集を担当した山中良平学芸員(26)は「文化や風習が大きく変化した時代に、有年の有力者も試行錯誤していたことが伺える」と話している。
700部発行。一部600円。市教委生涯学習課(Tel43・6962)、市立有年考古館、市立歴史博物館で販売している。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2014年7月12日(2095号)1面 (9,250,620byte)
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