2014年09月13日
敬老会へ向けて稽古に熱が入る上仮屋獅子保存会
地域の伝統芸能を大人から子どもへ引き継ごうと、上仮屋獅子保存会(司波多聞会長、約40人)でジュニア世代への伝承活動が活発になっている。
以前は一人もいなかった中学生以下の会員が、ここ一年で26人も入会。子どもたちのために囃子で使う和笛を自作して寄贈してくれる地域住民も現れ、地区の敬老会での上演に向けて稽古に励んでいる。
関係者によると、上仮屋獅子舞は明治末期から大正初期にかけて野中から伝わったのが起源とされる。活動の中心だった青年団が衰退して昭和36年で一旦途絶えたが、「伝統の舞を次世代に継承しよう」という地区の古老らの呼びかけで9年前に幼小中のPTA会員を中心に保存会を結成。平成18年に45年ぶりの復活を果たした。
復活当初の会員は成人ばかりだったが、昨夏以降、囃子の笛の音に興味を持った地域の子どもたちが入会した。保存会が地元幼稚園で5年前から毎年正月に行っている獅子舞訪問を見た世代。さらに、その同級生やきょうだいにも輪が広がった。春の義士祭、地区の夏祭りに出演し、現在は上仮屋公会堂で週1回の練習を続けている。
また、子どもたちの頑張りを知った上仮屋北の奥野勇雄さん(73)が漆調に塗装した手作りの竹笛13本をこのほど寄贈。それまでビニールパイプを加工した横笛を使っていた子どもたちにとって「持ったときの感触が良くて、吹きやすい」と、うれしいプレゼントになった。
笛作りの経験は皆無だった奥野さん。「子どもたちを応援したい」という一心で、一から作り方を勉強したという。近年はなかなか手に入りづらい材料の竹は知人の高田裕弘さん(69)=新田=が提供した。
「素人が作ったものですが、もし、喜んでもらえるのなら、今後も出来る限り提供したい」と協力を惜しまない奥野さん。上仮屋自治会長でもある司波会長は「少子化が進む中、熱心な指導者に加えて周りからも支えてくれる方が現れ、本当にありがたい。世代を超えたつながりを地域づくりにも活かしたい」と話している。
上仮屋地区のふれあい敬老会は9月15日(月・祝)、城西公民館で午後2時から。上仮屋獅子保存会の演舞がオープニングを飾る。一般も立ち見での観覧可。駐車場に限りあり。
掲載紙面(PDF):
2014年9月13日(2103号)1面 (10,402,606byte)
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