2014年10月23日
被災地へ贈るための靴下と帽子を編み続けている水漏マキさん
リハビリの一環で編み物を続けている一人暮らしの高齢女性が、東日本大震災で被災した人たちに使ってもらおうとニットの靴下と帽子を製作。この2年間で作りためた靴下77足、帽子13点をボランティアグループを通して寄贈した。冬支度を迎える被災地の仮設住宅へ届けられる予定だ。
善意の女性は加里屋中洲の水漏マキさん(82)。3年ほど前に車いす生活になったのを機に通所先のデイサービスセンターの勧めでカギ編みを始めて間もなく震災が発生した。「被災地へ手編みの靴下を贈ろう」というセンターの呼び掛けに他の利用者とともに賛同し、1年後に色とりどりの約80足を寄贈。その後も「少しでも役に立つのなら」と自宅でコツコツと編み続けた。
漁師だった亡き夫とともに60歳ごろまで船に乗って海に出ていた水漏さん。網の修理もお手の物だった手先の器用さを活かして、靴下だけでなく帽子も編むようになった。長崎に住む実妹の織田まり子さん(77)から、たくさんの古毛糸が届き、材料の心配もなくなった。
津波で船を流された悲しみを我が事のように感じるという水漏さん。仮設住宅で暮らす自分と同じような年代の人をテレビで見るたびに心が痛むといい、「あっちの冬は寒いやろう。ちょっとでも温かくなってもらえたらうれしい。これからも一生懸命編みたいです」と話している。
[ ボランティア ]
掲載紙面(PDF):
2014年10月25日(2109号)1面 (11,881,205byte)
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