2014年12月13日
堀部弥兵衛の句をあしらった創作のれん。左の石柱が句碑
忠臣蔵ゆかりの史跡「息継ぎ井戸」そばの句碑に刻まれた義士・堀部弥兵衛の句をあしらった創作のれんを加里屋の呉服店経営、妻井昭二さん(74)がこのほど制作した。
井戸のそばに建つ句碑は高さ2メートルほどの石柱で、「雪はれて心にかなふあした哉」の一句が変体かなで刻まれている。吉良邸討ち入りの前日に弥兵衛が夢の中で詠み、集まった同志に披露して士気を鼓舞したと伝えられている(「雪はれて思ひを遂るあしたかな」との説もある)。
句碑はかつて花岳寺の境内で初代「大石なごりの松」の枝を支えた石柱の一本。妻井さんは以前に拓本を採った際、句に詠み込まれた迷いのない信念に感銘を受けたという。
のれんは紺地に銀文字の縦82センチ、横92センチ。左半分に弥兵衛の句、右半分に大石家の家紋「右二つ巴」と「赤穂義士」の文字、すその部分に四十七士全員の名前を配したデザインで、書家でもある妻井さんがすべての文字を揮毫した。
「一文字一文字おろそかにせず、気持ちを込めて筆をとりました」と妻井さん。「句碑の存在を広めることにもつながれば」と願っている。1枚8000円(税別)。Tel45・1700(工芸呉服きぬや)。
[ 文化・歴史 ]
掲載紙面(PDF):
2014年12月13日(2115号)3面 (11,813,801byte)
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