2015年01月30日
赤穂市長として3期12年にわたった任期を26日で満了した豆田正明さん(70)=加里屋=にインタビュー取材した。取材は27日。以下、一問一答。
−任期を満了した今の心境は
「12年間を全力で走り抜け、達成感があり、さわやかな気持ち。物事の変化は速く、昔は『十年一昔』と言ったものだが、私には『一年一昔』だった」
−3期それぞれで印象に残る事業、出来事は
「1期目は赤穂駅周辺整備事業に民事再生法を適用したこと。2期目は住民投票の結果、断念した上郡町との合併。自分としては将来の赤穂市の発展のために合併すべきだったと思っている。財政健全化が進んだ3期目は総合計画に基づく3本の柱、子育て支援、地域活性化、安全・安心の各対策を推進できた」
−最もやりがいを感じた事業は
「どれが一番、というのはない。赤穂の魅力は多様性。住み心地が良く、選んでいただけるまちを目指した。12年間通して、赤穂の魅力を引き出そうと走ってきた」
−最も苦しかったり、辛かったりしたことは
「駅周辺整備事業では債権者や市民に多大な負担をかけたが、赤穂の玄関口の明かりを消さないという思いで苦渋の選択だった。また、損失補償金の償還と国の三位一体改革に伴う交付金の大幅な減額が重なり、市民に負担をかけ、職員の給料をカットしたことも辛かった」
−市長の職責を果たす活力の源になったのは
「選挙の度に多くの方々が私のために一生懸命になってくれた。そのことが当選後の4年間でも心の支えになった」
−100点満点で自己採点すると
「80点。合併できなかったことで10点、そのほか達成できた事業でも期間内に終わらなかったものなど10点を差し引いた。道筋は付けたと、80点とした」
−市長選の出口調査で7割近くの有権者が豆田市政を「評価できる」「どちらかといえば評価できる」と答えた
「市長の仕事は『やって当たり前』で、ほめられることはほとんどない。ちょっと予想外。自分としては本当にありがたい」
−市長として心掛けていたことは
「ものごとはすべてがうまくいくばかりではない。常に前を向き、市民の立場で物事を考えるようにしていた」
−次の4年間は、赤穂市にとってどういう4年間になるか。またはすべきか
「地方創生の取り組みが国から打ち出されたが、新たな都市間競争の始まりだと思う。もっと魅力ある、人に来ていただけるまちになるために知恵を出し合い、他市に負けない施策に取り組まないといけない」
−新市長へのメッセージを
「初心を忘れず、新しい考えで、新しいやり方で赤穂市の魅力をもっと引き出してほしい。熾烈な選挙戦だったが、公正公平な市政運営に努めてほしい」
−今後、どういった形で市政に関わるか
「一市民として市の発展を見守りたい。求められれば助言はするが、あまり出るべきではないと考えている」
−今、したいことは
「ゆっくり家で過ごしたい」
−職員へメッセージを
「私の方向性をよく理解し、よく頑張ってくれた。素晴らしい職員たちだった」
−市民へメッセージを
「12年間、いろいろとご支援いただきありがとうございました。それに尽きます」
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2015年1月31日(2121号)3面 (11,079,415byte)
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