2015年02月04日
調査報告書について記者会見する国土問題研究会の調査団メンバー
管理型産廃最終処分場の建設計画がある福浦の採石場跡地について、現地の地質調査と図面分析を行った「国土問題研究会」(上野鉄男理事長、京都市中京区)が調査報告書をまとめ、4日に発表した。計画地を縦横に走る断層の存在、大規模崩落の危険性が高い地質構造、遮水シートを変質させる恐れのある微生物の生息などを指摘。「最終処分場の計画地としては不適格」と結論付けている。
計画地は瀬戸内海国立公園の播磨灘に面し、平成22年3月まで「兵庫奥栄建設」(神戸市灘区)が採石を行っていた約20・7ヘクタール。燃え殻、ばいじん、汚泥など合計204万立方メートル分の廃棄物を25年間かけて埋め立てる計画を同社が立案し、処分場設置に向けた条例手続きが平成25年10月に始まった。
国土研は環境や公害、都市問題などに関する調査研究を目的に昭和37年に設立した学術団体。日本共産党兵庫県会議員団と同党赤穂市会議員団の委託を受け、事業計画書に添付されている図面を分析するとともに、昨年3月に事業者立ち会いの下で現地踏査を実施した。
その結果、図面からは、岩盤が脆弱な断層破砕帯が少なくとも7本あり、分断された岩脈が最大約40メートルの横ずれを起こしていることを確認。処分場には不適とされる熱水変質帯や最も崩落リスクの高い「II型流れ盤」と呼ばれる地質構造も読み取れた。また、現地踏査では、断層が周辺の集落や海域にまで広がっていること、遮水シートを腐食させる恐れのある微生物の存在が判明したという。
報告書(A4判38ページ)は、これらの調査結果を写真と図表入りで解説している。産廃最終処分場の立地を選定する際の基本条件として公益社団法人全国都市清掃会議が掲げる5項目のうち4点で抵触することから「不適格であることは明白である」と断定。事業者が県へ提出して縦覧した調査報告書に断層の存在についての記載がない点に触れ、「恣意的な内容と指摘されても仕方がない」と事業者の姿勢に厳しい視線を向けている。また、「計画の段階で回避させる指導が出来なかった点は、猛省に値する」と赤穂市の対応も批判している。
事業者は事業計画書で、「地質調査結果により、最終処分場の立地として適性度が高いと言える」と記述しており、国土研の結論は正反対の結果となった。奥西一夫副理事長(76)=京都大学名誉教授、災害地形学=は「これだけ多くの点で条件に適さない計画地はめずらしい。生活と産業を破壊する恐れがあり、『無謀』と言わざるを得ない」と話している。
報告書は赤穂市立図書館で閲覧できる。
▼兵庫奥栄建設の話=「(国土研の)計画地内の視察は約2時間しか行われておらず、その程度の調査で結論をまとめられるのは納得いかない」
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2015年2月7日(2122号)1面 (13,281,850byte)
コメント
2時間で結果を得て、調査報告書が何十ページも出せるのはさすが名誉教授、これからは彼にみんな委託しよう。
高野の安定型最終処分場もやってもらえばいいと思うけどどうだろう。生活水に関しては、断然高野が重要だよ
梨ケ原の管理型も生活水に重要、この2か所やってもらえないかなあ。
投稿:中立人 2015年02月06日
予断を持たずに調査して得られたた「結果」なのか
先に都合のいい「結果」を作って、それに導くアリバイのための調査か
投稿:左翼信者 2015年02月06日
結果ありき?結果が全てじゃないの?
投稿:? 2015年02月05日
業者の肩をもつわけではないが、
2時間の調査では、結果ありきの調査と言われても仕方ないのでは。
投稿:せめて2日(一昼夜) 2015年02月05日
たった2時間の調査でもわかってしまうほど不適格だったとも言える。
投稿:それって… 2015年02月05日
税金で買い取ろう。
投稿:尖閣 2015年02月05日
物事に絶対はない。世界最高水準の安全な原発ですらあれだから。
投稿:絶対はない 2015年02月05日
緑化したら。
投稿:緑化 2015年02月05日
今すぐ、処分場建設計画を白紙に戻して下さい。
投稿:産廃に、不向きな・・・ 2015年02月04日
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